糖尿病治療でよく聞くインスリン注射って何? 医師が解説するインスリン療法の効果や種類・打ち方
糖尿病のインスリン注射の種類と打ち方を知ろう 自己注射は自分で打つの? 使うのはどんな注射器?
編集部: インスリン注射には種類があるのですか? 清水先生: はい、以下の種類があります。 ・超速効型インスリン製剤 食事に合わせて注射。注射してから10分未満~20分程度で作用。インスリンの追加分泌を補う。注射後すぐに効き始めるが、作用は最も短い。 ・速効型インスリン製剤 食事に合わせて注射。注射してから30分~1時間で作用。インスリンの追加分泌を補う。注射後30分程度で聞き始め、超即効型と比べてゆっくりと効く。 ・中間型インスリン製剤 食事のタイミングにかかわらず、1日のうち決まった時間に注射。注射してから30分~3時間で作用。インスリンの基礎分泌を補う。注射後ゆっくりと効き始め、ほぼ1日効果がある。 ・持効型溶解インスリン製剤 食事のタイミングにかかわらず、1日のうち決まった時間に注射。注射から1~2時間で作用。インスリンの基礎分泌を補う。ほとんどピークがなく、中間型よりも長く効く。ほぼ1日安定して効果があるのが特徴。 ・混合型インスリン製剤 食事に合わせて注射。超速効型/速効型インスリン製剤と、中間型インスリン製剤のそれぞれの作用時間に効果がみられる。インスリンの追加分泌と基礎分泌を補う。 ・配合持効溶解製剤 食事に合わせて注射。超速効型インスリン製剤と、持効型インスリン製剤のそれぞれの作用時間にみられる。インスリンの追加分泌と基礎分泌を補う。超速効型と持効型溶解インスリン製剤の配合製剤。 編集部: それぞれ種類によって、注射のタイミングなどが違うのですね。どのようにして選べば良いのですか? 清水先生: 糖尿病のタイプや病状によって異なります。また、複数の種類を組み合わせて使うこともあります。 編集部: 注射の回数はどれくらいですか? 清水先生: どの製剤を用いるかによって違います。たとえば、「持効型溶解インスリン製剤」は効果が長く続くので1日1回打つケースが大半です。 反対に、「速効型インスリン製剤」は食事の前などに打って、急速に血糖値が上昇するのを防ぐタイプの薬。そのため、1日4回注射することがあります。 編集部: 自分で注射するのですか? 清水先生: 基本的に自分で注射するか、あるいは、家族に注射をしてもらいます。 編集部: どのような注射器を使うのですか? 清水先生: 現在ではペン型の注射器を使うのが一般的です。ペン型の注射器には、あらかじめインスリン製剤が内部にセットされた使い捨てタイプのプレフィルド型や注射器にインスリンのカートリッジ製剤を自分でセットするカートリッジ型があります。