最多４度目のEURO優勝を飾ったスペイン。イングランド側からも賛辞が上がった。(C) Getty Images

　現地時間７月14日に行なわれたEURO2024決勝で、スペイン代表はイングランド代表を２-１で下し、最多となる通算４度目の優勝を飾っている。 【動画】EURO2024決勝、スペイン対イングランドのロングハイライト！ 　グループステージの初戦から強さを発揮し、前回王者イタリア、開催国ドイツ、優勝候補筆頭のフランスといった難敵相手にも優位性を見せつけて欧州制覇に王手をかけた「ラ・ロハ」は、勝負強さを発揮して勝ち上がってきた「スリーライオンズ」に前半は良さを消されたが、後半開始から２分、インに切れ込んだ右ウィングのラミン・ヤマルが出したラストパスを、左のニコ・ウィリアムズがゴール右隅に突き刺して先制する。 　リードを維持して終盤に突入しようとしていた73分、左サイドを攻略され、コール・パーマーの強烈なミドルを浴びて同点とされたが、86分にスローインからややイングランドの守備が緩くなったところを突いて前線までボールを繋ぐと、FWミケル・オジャルサバルが左サイドを上がってきたマルク・ククレジャに流し、折り返しをオフサイドラインぎりぎりの位置で合わせて勝ち越し。そして残り時間でのイングランドの猛攻をしのぎ切り、栄光の瞬間を迎えた。 　2008、2012年大会のパスワークで相手を圧倒するスタイルとは異なり、ウィングが重要な役割を担った今夏のスペインについて、スポーツ専門チャンネル『ESPN』は「彼らが最強のチームだったことに異論を唱える者はほとんどいないだろう。スペインは最多得点を挙げ、７試合全てに勝利し（24か国での大会となってからは史上初）、全体を通して最高のサッカーを披露した」と絶賛している。 　さらに、「直近の５大会のうち３回に優勝したラ・ロハは非常に盛り上がっているが、過去２回とは異なるチームである。2012年大会にも出場したのはヘスス・ナバスだけであり、彼も今回で引退する。その代わりに、N・ウィリアムズや17歳のラミン・ヤマルら優れた新世代の選手が台頭しており、彼らには２年後のワールドカップが待ち遠しいことだろう」と、新たな黄金世代の到来を予想した。 　２大会連続の決勝戦敗北という悔しさを味わったイングランドでは、ガレス・サウスゲイト監督は「スペインを祝福したい。彼らは今夜だけでなく、大会全体で優勝するに値した」と潔く対戦相手を称えたが、彼だけでなく英国のメディアも、自国代表チームを葬ったラ・ロハの強さに脱帽し、公共放送「BBC」は以下のように綴っている。 「サッカーは意見が分かれることが多いスポーツだが、今回は誰もが一致してスペインの欧州制覇を当然のものとして称賛している。彼らは、欧州の歴代W杯優勝国を全て破り、さらに2018年ロシア大会のファイナリストであるクロアチアも撃破。これを成し遂げたチームでは、ロドリが大会MVP、ヤマルは最優秀若手選手に選出され、ダニ・オルモはゴールデンブーツ（得点王）を分け合い、ヤマルは最多アシストを記録している。そんな優れた集団だが、大会前には絶対的な優勝候補でなかったことも忘れがちだ」