「着る」を習って人生が変わった!30、40代は3人の息子を育て、おしゃれと無縁。50代で一念発起、「片付け」→「着る学校」でイライラが消えた
ドラマスタイリストの西ゆり子さんが、一般女性に向けて2023年6月に開講した『着る学校』。好きな服を着るための基礎知識を学び、自分らしいおしゃれを楽しめるようになると、人生がどのように変わっていくのか。連載2回目からは、受講生の方々の体験談を紹介します。(構成◎内山靖子 全5回連載/第2回) 【写真】一歩を歩み出す勇気をくれたアイテムは… * * * * * * * ◆「着る」ことをもっと楽しみたくて 初めて、西先生の存在を知ったのは、ヘアメイクアップアーティストの化け子さんのYouTubeに、先生がゲストとして出演したときでした。「なんて素敵な人がいるんだろう!」って、そのときの衝撃は今でも忘れられません。 それまでも、テレビの画面やファッション雑誌でおしゃれな人は大勢目にしてきましたが、自分がその人と同じ服を着たいのか?と聞かれたら、答えはノー。確かに、その人はおしゃれだけど、「私はそういう恰好をしたいわけじゃないし」と、とくに興味を感じることもありませんでした。 でも、西先生の姿を見たときに「私もこういうふうになりたい」と憧れる気持ちが俄然湧いてきたんです。なぜかと言えば、先生の着こなしは、70代という年齢にまったくとらわれていない。また、ファッション雑誌に載っているままのコーディネートではなく、自分なりに様々なアレンジを工夫され、服を着ることを存分に楽しんでいらっしゃる。 50代を迎え、服を着ることをもっと楽しみたいと思っていた私が求めていたものはまさにこれだ!と。そこで、『着る学校』のレッスンを受けることに決めたのです。
◆30~40代は、おしゃれとは無縁の生活 50代になったばかりの私が、なぜ「着る」ことをもっと楽しみたいと思ったのか。それは、30~40代はおしゃれとはまったく無縁の生活を送ってきたことが影響しているのかもしれません。28歳で長男を出産し、その後、次男、三男が次々と生まれ、30~40代は子育に追われる毎日で、新しい服を買うヒマなんていっさいなくて。子育て中に着ていたのは「子どもたちと公園に行ける服」か「汚れが目立たない服」ばかり。デザインや色なんて考えている余裕もまったくありませんでした。 正直な話、その頃は、精神的にもいつもイライラしていましたね。58平米の手狭な家の中に男の子が3人ですから、片付けても片付けても家の中は荒れ放題。家事や育児は専業主婦である私の仕事と気負ってしまって、独りで意地になってしまい、夫婦の関係も上手くいっていませんでした。コミニュケーションが苦手な私ひとりだけでは、息子たち3人分の学校行事やPTAの催しの準備なども追いつかず、にっちもさっちもいかなくて……。とはいえ、誰にも相談できない。だったら、自分を変えるしかないのだろう。そう思っていたときに出会ったのが近藤麻理恵さんの『人生がときめく、片付けの魔法』という本。そこに書いてある通りに片付けてみたところ、本当に家の中が片付いたんですよ。そこで、この片付け法をもっと世の中に広めたいと、こんまりさんの講座を受講して、こんまり流(R)片付けシニアコンサルタントの資格も取りました。 ただ、服に関しては、片付けした直後のクローゼットには大満足なのですが、だんだん「もっとときめきたい!」という気持ちもわいてきてしまったのです。なのに、片付け後は「無駄なものを増やしたくない」という思いが勝ってしまい、「失敗しない服を選ぼう」という意識が常に働いてしまって。その結果、新しく買う服はいつも黒、グレー、紺、白という無難な色の服ばかり。こんまりさんのメソッドに沿って、自分では「ときめく服」を選んでいるつもりでも、私自身がどうしても無難な色を選んでしまい、「この服じゃ、ワクワクできない」というモヤモヤ感がずっと胸の奥に溜まっていたのです。
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