青ヘッドの日産「パルサー」を発見!「プリメーラ」と間違ってしまう「VZ-Rセダン」を「当時の装備に戻して90年代の雰囲気を目指してます」
ノリで選んだちょい速セダン
その存在さえ忘れられてしまいそうな「パルサー」VZ-Rを購入した西島さんは、元々はコンパクトハッチが好き。実は、2004年式トヨタ「カローラランクス」のTRDスポーツMも所有しているという。この車両も排気量1795ccの2ZZ-GEエンジン搭載で、205馬力を発生。しかも6速マニュアルのみの設定という車種だけに、西島さんの好み度合いが理解できるはず。 「なんとなく気になって、買っちゃいました」 というコメントからも、完全に勢いで購入したのが想像できる。しかし、“テンロク”、“NA”、“マニュアル”というのは、トヨタ「カローラレビン/スプリンタートレノ」(4代目AE86系)やホンダ「シビック」(3代目Si)などが、1980年代中盤から築いてきた日本を代表する小型スポーツ車の系譜に属する。しかもそれが、日産車であり、さらにマイナーなセダンとなれば、コンパクトハッチ好きが浮気心で興味を示すのは、とても納得がいく。
VZ-Rが誕生した、時代性重視のこだわりカスタム
西島さんのパルサー VZ-Rの楽しみ方は、“このクルマが生まれた時代ならではの、現在から見ると古臭く感じる部分を演出する”というもの。 例えば、ヘッドライトはHIDが装着されていたためハロゲンへ。社外ホイールが装着されていた足まわりは純正へと戻す。そして、ナンバーは字光式。しかも、現在の字光式では当たり前のLEDを使わずバルブ式を使用。さらに、ナンバーは分類番号が「500」になるように希望ナンバーはあえて選ばないという、徹底したこだわりが表現さている。 「1998年式なので、その当時一般的だった装備に戻しているイメージですね。HIDやLEDは、あの時代にはまだまだ主流ではなかったですから。ナンバーも、本当は分類番号を2ケタにしたかったんですが、それは現実問題で不可能。それならば、できるだけ当時っぽい雰囲気を目指すには500にするのが一番。ということは、希望ナンバーを選ぶとダメなので、通常申請で割り当てられる普通のナンバーをあえて選んでいます」 希望ナンバー制度が全国で実施され始めたのは1999年。これを取得すると、分類番号の下2ケタは“00”ではなく他の番号へと変わってしまう。しかし、西島さんの愛車は1998年式。これでは辻褄が合わなくなってしまうというわけだ。 「九州では自分以外でこのVZ-Rセダンを見かけたことが無いですし、珍しいエンジンなので、実際に乗っている人にいつかお会いしたいです!」 この西島さんの願いが叶えられる日が来るまで、このこだわりを変えることなく、ずっと持ち続けてほしいと強く思った取材だった。
酒寄俊幸