【#みんなのギモン】公衆トイレも「男女共用」が急増中…なぜ?
駅や公園など外出先で様々な人が利用する公衆トイレ。男女別に分かれていたものを改修し、男女共用の構造にする動きが広がっています。"男女共用の公衆トイレ"はなぜ、増えているのでしょうか?(報道局 調査報道班 川崎正明)
■Twitterで大きな反響…渋谷区幡ヶ谷の「おしゃれ公衆トイレ」
今年2月末、東京都渋谷区幡ヶ谷にある公衆トイレが建て替えられ、男女別のトイレから男女共用のトイレ2つと男性小便器2つの構造に改修されました。その直後、渋谷区議会の議員が「女性トイレは残すべき」とツイートすると、不安や怒りなど様々な反響が寄せられ、大きな話題となりました。 あれから4か月。記者は問題となった幡ヶ谷の「おしゃれ公衆トイレ」を訪れました。路線バスが走る道路の交差点に面し、自転車や人通りも多い場所です。平日の午後、1時間ほど滞在してみると…。 男女共用トイレを利用したのは男性8人、女性は1人。男性の大半は小便器の利用者でした。
■渋谷区の「THE TOKYO TOILET」プロジェクト
渋谷区では日本財団と共に2018年10月から「THE TOKYO TOILET」というプロジェクトを進めています。暗い、汚い、くさい、怖いなどのイメージで入りづらい状況にある公衆トイレを、著名な建築家やデザイナーらが再設計して建て直し、区内17か所のトイレが今年3月までに整備されました。 区のホームページには 「バリアフリーやユニバーサルデザインの考えに加え、多様な利用者の視点に立ち、人種・性別・年齢・障がいなどに関係なく、ハード・ソフト両面から誰もが使いやすいトイレ環境を整備しています」と書かれています。 区が進めているのは多様性社会を尊重した公衆トイレ。小さな子どもを連れている人やベビーカーを利用している子育て世代、車いす利用者と介助者など、男女問わず快適に利用でき、誰もが使いやすいトイレ環境を作ったとしています。
■理想の公衆トイレとは…これからは「男女共用トイレ」が一般的?
JR恵比寿駅西口公衆トイレ。このトイレも2021年7月に男女別だったものから男女共用の5つの個室からなる配置に建て替えられました。外観は白いアルミのルーバーで覆われ、トイレには見えないたたずまいです。恵比寿駅の西口を出てすぐの場所にあり、東京メトロ日比谷線への連絡階段にも近く、人通りがとても多い場所に建っているため、ひっきりなしに利用者が現れます。