チェコ国防省、C-390発注 NATOで4カ国目
ブラジルのエンブラエルは現地時間10月25日、チェコ国防省が次期中型輸送機としてC-390「ミレニアム」を2機発注したと発表した。2023年10月から交渉していたもので、防衛・医療搬送などの分野で運用する。 【画像】チェコが発注したエンブラエルの輸送機C-390 同省によると、C-390の導入により現在は同盟国に頼らざるを得ない物資や重装備、人員の空輸能力が向上する。チェコ軍は、航続距離が12時間クラスで未舗装の滑走路に離着陸可能な中長距離機を保有していないためで、C-390の導入により航空輸送、空襲作戦、空中補給、医療避難、人道支援、空対空給油、消火活動などの任務を遂行できるようになる。 C-390は、リージョナルジェット機世界最大手であるブラジルのエンブラエルが開発した双発の中型輸送機で、2015年2月3日に初飛行。最大ペイロードは26トン、航続距離は26トン搭載時が2000キロ(1080海里)、フェリー時が6241キロ(3370海里)、最高巡航速度はマッハ0.80(470ノット)で、貨物や物資、部隊の輸送、捜索救助など、多目的に運用できる。 チェコはNATO(北大西洋条約機構)加盟国としては4番目のC-390導入国となった。エンブラエルは機体とともに、チェコ空軍に包括的なトレーニングとサポートパッケージを提供する。また、10月にはC-390の製造分担増加や、国営MRO(整備・修理・分解点検)企業への技術移転などで合意し、ブラジルとチェコ両国間の航空宇宙・防衛分野の成長促進を図ることでチェコ国防省と合意している。
Tadayuki YOSHIKAWA