子どもの「発達障害」の受診を考えるなら…医療機関を選ぶときに注意すべきこと
「発達障害」に使う薬
「発達障害」に使う薬は、脳のなかで、前頭葉に働きかけ、神経伝達物質の伝わり方や働きを調整します。大人用と小児用では、薬が違い、下記は小児の「発達障害」用の薬です。 ( )内は商品名 ● ADHD リスデキサンフェタミン(ビバンセ) メチルフェニデート(コンサータ) アトモキセチン(ストラテラ) グアンファシン(インチュニブ) ● ASD リスペリドン(リスパダール) アリピプラゾール(エビリファイ) このほか、睡眠に困難がある場合は睡眠導入剤、うつ病などの二次障害がある場合は、それぞれの精神疾患の薬を用いることがある。 注意点 ● 前頭葉は10~18歳に発達する。 未発達の段階で前頭葉に働きかける薬は、どのような影響があるかは不明 ● 下記のような副作用に注意 ADHDの薬:頭痛、不眠、食欲不振、腹痛など ASDの薬:めまい、眠気、手足のふるえなど ● 薬の効き方は個人差があるので、とくに初期にはようすの変化をよくみる ● 過剰診断による不要な薬の投与 ● 量や種類の過剰投与
医療機関の選び方
<心理検査をおこなうところに> 子どもの場合は、小児科か児童精神科が「発達障害」をみますが、最近は「発達障害」かもしれないと受診する子どもが増え、どこも予約をとりづらくなっているのが現状です。そのため、「発達障害」をみますというクリニックはたいへん数が増えています。 受診先を迷ったら、まずは「発達障害」をみているかどうかを確認しましょう。心理検査をおこなっているかどうかも重要なポイントです。 <本人の同意を得てからにしたい> まだわからないだろうと子どもになにも言わず受診するのは避けたいです。「困っていることがあるね。それを解決しよう」などと説明して、本人の同意を得てから受診するのが理想的です。薬物療法をおこなうことになったら、薬の効き方や副作用についても説明しておきます。 「発達障害」と診断されたら、通院は長期間にわたる可能性があります。そのとき本人の同意と納得が活きてきます。
選ぶポイント
(1)発達障害をみていること (2)心理検査をおこなっていること (3)心理士(公認心理師か臨床心理士)が心理検査をおこない、対応してくれること <心得ておきたい【生活リズムはきっちりと】> 「発達障害」と診断されても、生活リズムを整えることは、続けましょう。診断は一生続くものではなく、周囲に適応できるようになったら、診断名は必要なくなるからです。
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