周囲に「年収500万円で子ども2人を育てるのは無謀」と言われてしまいました。国からの援助があれば育てられそうですが……。
子育てにはお金がかかります。一般的に見て決して低くはない、年収500万円の方に対しても「子ども2人は無謀だ」との意見が来るほどです。そこで、年収500万円で子ども2人を育てていくのは無謀なのか、国からの援助を含めて考えていきます。
子育て世帯の一般的な収入は500万円前後と推測
Webメディア「HugKum」の2022年1月の調査によれば、子育て世帯(0歳~小学6年生までの子どものいる保護者818名を対象とする)の収入は、500万円から600万円未満が最多で、全体の15.7%です。次いで400万円から500万円未満が14.6%となっています。また、年収300万円未満という層と、300万円から400万円未満という層がそれぞれ11.1%存在しています。 あくまでもアンケートの結果にすぎませんが、子育て世帯は500万円前後の層だけでなく、それ未満の収入の層にも少なくありません。 ここから考えると、年収500万円で子どもを2人持つのは無謀とまではいえないでしょう。むしろ、一般的な子育て世帯だということもできます。
年収500万円で子育てするなら学費は国からの支援が期待できる
国は少子化対策として、さまざまな施策を講じています。高校や大学の無償化などがいい例です。高校や大学への進学には、多くのお金がかかります。公立か私立かといった区分や、学校によっても異なる部分がありますが、一般に学費には多額のお金がかかるものです。 日本政策金融公庫の資料によると、高校入学から大学卒業までには、子ども1人当たり942万円ほどかかるようです。子どもが2人いれば1884万円と、2000万円近い学費になります。 おそらく、周囲から「年収500万円で2人の子育ては無謀だ」と言われるのにはこの学費の存在が大きいと思われます。 しかし、文部科学省「高校生の学びを支えます」によると、年収500万円の世帯であれば、高等学校等就学支援金によって、年間で公立高校なら11万8800円、私立高校なら39万6000円、通信制の私立高校でも29万7000円の支援が受けられます(収入などの条件あり)。 また、日本学生支援機構などが実施している奨学金を利用することで、高校や大学進学にかかる費用を工面しやすくなるでしょう。成績次第では、返還不要の給付奨学金を受け取ることのできる可能性もあります。 また高校入学前も、幼児教育・保育の無償化によって、幼稚園、保育所、認定こども園などの利用料も、月額上限2.57万円までは無償とされているようです。 このように、世帯年収500万円であっても国からの支援を受けることで、子ども2人を高校・大学へ進学させられる可能性がありそうです。