ブレーキパッド交換時にはブレーキピストン「もみ出し」磨きが効く!!
ブレーキパッドの減りに気が付き部品交換する際には、単純に新旧部品を入れ換えるだけではなく、ブレーキキャリパーとローター周辺の洗浄と同時に、ブレーキキャリパーピストンのクリーニング、通称「もみ出しクリーニング」を実践することで、ブレーキレバーのタッチや操作フィーリング、ブレーキの効き具合が向上するので、チャレンジしてみよう。 【画像】ブレーキパッド周りのメンテナンス作業をギャラリーで見る(15枚) 文/Webikeプラス たぐちかつみ
バックプレートの有無とコンディションに要注意
ブレーキパッドが擦り減ってしまい、レバーを握った時に「キーッキキーッ」といった音に気が付くことがある。パッドの残量を確認したところ、すでにパッドは無くベースの鉄板に至っていた……。といった経験を持つライダーもいることだろう。ブレーキパッドの賞味期限は、ギリギリ一杯までではなく、新品パッドの厚さに対して2~3割程度の残量と考えよう。常にギリギリ一杯まで使ったり、過去に通称「鉄板ブレーキ」を経験している車両の場合は、ディスクローターの摺動面にもダメージがおよび、レコード盤のようなキズを超えて、もはや波打ちディスクになっているケースも多い。最低限の厚さ以内(MIN◎mmとの表示がある)なら、ディスクローター研磨も可能だが(リジッドデザインのローターのみ研磨可能な例が多い)、ローターの減りが激しい時には、新品部品に交換するしか方法は無い。ブレーキパッドとローターには相性があり、良く効くコンビネーションがある一方で、効きが今ひとつのわりにはローター面への攻撃性が高くキズ付きやすく摩耗しやすい組み合わせもある。ブレーキの効き具合とローター摩耗を鑑み、好みのブレーキパッド見つけて選ぶようにするのが良い。バックプレートが入るモデルの場合は、パッド交換時に取り外してしっかり洗浄して再利用しよう。このバックプレートは、パッドの鳴き防止や熱の遮断用として組み込まれている。
ケースバイケースで特殊工具は使い分けよう
キャリパーピストンをクリーニングするときに、あると便利な各種ブレーキピストンツール。ピストンの内側から広げるようにしっかりクランプして、ピストンを回転させるプライヤータイプにも複数のタイプがある。また、ピストンクリーニング時には、ピストンを押し込むツールを逆利用することもできる。ピストンの「出の量」をこのツールで調整することで、クリーニング時のピストンの飛び出し過ぎを抑えることもできる。もみ出しクリーニング時には、必需品と言える特殊工具だ。