高齢者の定義「5歳」引き上げ案……背景に国難? 31歳「死ぬまで働くのは嫌」 提言の“真の狙い”は【#みんなのギモン】
日テレNEWS NNN
高齢者の定義を「65歳以上」から「70歳以上」に――。政府の経済財政諮問会議で、このことを検討すべきとの意見が出されました。背景には働き手の減少などがありますが、もし実現すれば、課題となっている社会保障の負担などはどう変わるのでしょうか? そこで今回の#みんなのギモンでは、「高齢者の定義『5歳』延ばす?」をテーマに、次の2つのポイントを中心に解説します。 ●高齢になっても働きたい? ●70歳から“高齢者”もし実現したら…
■「生涯活躍と少子化への対応」を議論
近野宏明・日本テレビ解説委員 「一般的には65歳以上の方が高齢者とされていますが、それを5歳延ばして70歳以上とすることを検討すべきだ、という意見が政府の会議で出ました。その背景に一体何があるのでしょうか?」 「23日の経済財政諮問会議で、『生涯活躍と少子化への対応』などについて議論されました。この中で有識者から、高齢者の定義を5歳延ばすことを検討すべきだという意見が出ました」 「理由は『日本では健康寿命が延びていて、就労意欲の高い 65 歳以上の人が増えているから』というものです。その上で、全世代を対象としたリスキリング(学び直し)を推進し、意欲ある高齢者が活躍できる社会をつくることが重要だ、という提言がなされました」 鈴江奈々アナウンサー 「周りを見ていても65歳以上の方でもお元気です。働きたいという方も増えてきているとなると、自然に考えると、高齢者と言わない方がいいのかなと思います。ただ、政府がそう捉えるということはどういう意味なのかな、という点は気になります」
■「5歳引き上げ案」どう?…街で聞いた
近野解説委員 「5歳引き上げ案をどう受け止めているか、街の人に聞きました」 会社員(31) 「いいことはなさそうですね。65 歳まで働いて、退職して、余生をゆっくり過ごそうと思っていた人たちも働くのが当たり前になってしまうっていうのは…。死ぬまで働くのは嫌だな」 会社員(29) 「年金受給の関係で、(仮に)その開始が遅くなると、そこまでの間どうやってお金もらおうか心配になるかなと思いますね」 自営業(50代) 「今の世の中、高齢者といっても動ける方いらっしゃるので、それは問題ないのかなと。いろいろ活躍できる場が増えるのはいいと思いますが、それより下の世代から見れば、上が詰まってるのに下が働く場所が奪われていくような印象もあるのかな…」 専業主婦(69) 「現状の65歳で今はいいんじゃないかと。とにかく全てが後ろ倒しになっていくのは、もしかしたらつらい方もいるんじゃないかなと思います」 ホテル勤務(24) 「単純に、働く期間が長くなっちゃうんじゃないかなって思うと、ちょっと怖いです。すごくいい感じに言ってる気がするんですけど、ずっと働いて、働かされてそうな気がするし…」