高齢者の定義「5歳」引き上げ案……背景に国難? 31歳「死ぬまで働くのは嫌」 提言の“真の狙い”は【#みんなのギモン】
■70歳までの雇用確保が努力義務に
近野解説委員 「思いはさまざまということですね」 森圭介アナウンサー 「5歳後ろに延びるということで、定年も延びて年金の受給(開始)も延びてということになると、また話は違います。働きたい人が働ける世の中はいいですが、ゆっくりしたい人が働かなくても安心して暮らせる世の中になるのが一番いいんじゃないかなと思います」 忽滑谷こころアナウンサー 「私は入社5年目の26歳です。この年齢だけ見ると近い未来ではないのかなと思いきや、入社の時に自分の人生プランはざっくり立てるので、同じように働かれている方々にとっては、この5年というのは大きいんじゃないかなと思いますね」 近野解説委員 「私も他人事ではなく、昔は60歳定年というのが当たり前にありました。それが2013年からは、働く人が希望する場合には企業は65歳まで雇用する義務が課され、2021年になると70歳まで雇用を確保することが努力義務に。だいぶ時代は変わってきてはいるんですね」 刈川くるみキャスター 「私たちがもっと大人になった時に、(70歳どころではなく)75歳、80歳になってしまうのかなと心配はありますね」
■2030年代からさらに…働き手が減少
近野解説委員 「私は会社に入ったのが1995年ですから、その時は60歳まで働けば、そこから先は多少穏やかな悠々とした暮らしになるのかなと推測しましたが、多分そうならない…」 森アナウンサー 「走れば走るほどゴールが勝手に遠ざかっていくというね…」 近野解説委員 「現実はあまりのんきな見通しは立てにくくなりました」 「一般に働き手とされる生産年齢人口(15~64歳)は減っていて、国立社会保障・人口問題研究所の令和5年推計によると、2030年代からは減少がさらに加速するとみられています。2030年代は意外とすぐそこで、待ったなしの状態です」 「経済財政諮問会議では、このことを『国難とも言える成長下押し』と表現し、この克服が大きな課題だとしました。そのためには、健康で意欲のある65~74歳の活躍などが重要だと指摘しています」