腸の健康を支える食物繊維の働きと摂り方を管理栄養士に聞きました。
食物繊維は大きく分けるとこの2つ
【包み込み、吸着する】水溶性食物繊維 水に溶けているので、繊維という印象があまりない。ペクチン、アルギン酸、イヌリン、β-グルカン、グルコマンナンなどがあり、ゼリーのように包み込む働きで摂りすぎた糖や脂質をそのまま排出したり、ゆっくりと胃腸を通過するので腹持ちもいい。すみやかに腸内細菌のエサになる。ヌルヌル、ネバネバするタイプと、さらさらと液体のようなタイプがある。海藻やオクラ、なめこ、里いもなどのヌルヌル食品、果汁、大麦やオーツ麦のでんぷん質などはみな水溶性食物繊維。 ◦粘り気があり、胃腸をゆっくり移動する ◦胆汁酸や脂質、糖を吸着し、包み込む ◦発酵・分解されると腸内細菌のエサに 【腸内の掃除屋さん】不溶性食物繊維 不溶性食物繊維は水に溶けない文字通り繊維質の食材。セルロース、ヘミセルロース、リグニンなどがある。腸内でさまざまなものをからめとり、「雑巾」や「ほうき」のような働きをする。穀類の外皮や野菜、豆などに多く含まれる。雑穀類は外皮のついたものが多く、野菜では、ごぼうやセロリのような繊維を感じるものに多い。こんにゃくいもには水溶性繊維が多いが、食材としてのこんにゃくは不溶性食物繊維が主体。 ◦水分を吸収して大きくふくらむ ◦繊維質が腸内をきれいに掃除 ◦発酵・分解されると腸内細菌のエサに
どのくらい食べればいいか?
●18~64歳 男性21g以上 女性18g以上 ●65歳以上 男性20g以上 女性17g以上
海藻なら パックで手軽に摂れるもずくやめかぶ習慣を
豆類なら まとめてゆでて冷凍しても。手軽な市販の枝豆や五目豆も活用。
きのこなら 醤油煮やオイル漬けなどの作りおきが活躍。
果物 むくだけで食べられる身近な果物を積極的に食べる。
Cooking idea
今注目のレジスタントスターチ レジスタントスターチとは、消化されにくい多糖類のこと。難消化性多糖類や、雑穀や玄米、麦のような外皮で消化酵素から守られている食材、加熱で糊化したでんぷんが冷めると再結晶して消化されにくくなるご飯やいもが注目されています。 冷やし焼きいもはおすすめスイーツ。 熱々がおいしい焼きいも。さつまいもは不溶性食物繊維が豊富なことで知られていますが、糖質が多いからと食べるのを控えている人に朗報です。焼きいもやふかしいもは冷やすとレジスタントスターチが増えて吸収されにくくなり、腸の健康を応援してくれます。