〔東京外為〕ドル、152円台後半=米金利低下と利食い売りで下落(8日午後5時)
8日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、米長期金利低下のほか、利益確定や持ち高調整の売りを受け、1ドル=152円台後半に下落した。午後5時現在は、152円63~64銭と前日(午後5時、153円99銭~154円00銭)比1円36銭の大幅なドル安・円高。 ドル円は早朝、前日の海外時間に米長期金利の低下に伴って売られた流れを引き継ぎ、152円80~90銭台で推移。実質的な五・十日となり、仲値に向けては実需筋のドル買い・円売りなども入り、153円30銭台を付ける場面があった。 仲値後はじりじりと値を下げる展開。午後1時すぎには152円台半ばまで売られた。米大統領選でトランプ前大統領が当選確実となり、ドル高・円安が進行したことに関し、加藤勝信財務相が閣議後の記者会見で「投機的な動向も含め、為替市場の動向を極めて高い緊張感を持って注視する」とけん制したことが売り材料になったとの見方があった。 今週は米大統領選や米連邦公開市場委員会(FOMC)をはじめとする重要イベントを通過し、ドル円も一時154円台後半と約3カ月ぶりの高値水準となったため、「いったん利益確定や調整の売りが出やすい」(FX業者)という。週末を控え、週明け11日は米国がベテランズデーで休場になることも、手じまい売りを促したとみられる。 市場では、「節目の155円が近づくと政府・日銀による為替介入が警戒され、一方的に上値を追う展開にはなりにくい」(外為仲介業者)との声も聞かれた。 ユーロは対円で急落、対ドルで上昇。午後5時現在、1ユーロ=164円53~54銭(前日午後5時、165円58~59銭)、対ドルでは1.0779~0779ドル(同1.0752~0753ドル)。