激戦区にクーペタイプのクロスオーバーSUV投入!スズキの新型コンパクトSUV「フロンクス」まもなく日本上陸
■リアシートの乗り心地が抜群!小さくても4人でドライブしたくなる
今回、短い時間ではありましたが、フロンクスのプロトタイプを運転する機会に恵まれました。停止状態から軽くアクセルを踏んだだけでフロンクスは気持ちよく加速。 試乗コースはアップダウンがかなりありましたが、急な登り坂も加速に不満を感じる場面はほとんどありませんでした。1.5Lエンジンならではの余裕があることに加え、6ATのセッティングの良さを感じます。 驚いたのは後席の居心地の良さ。まずコンパクトSUVということで「車検証上は5人乗りだけれど、リアシートは荷物置き場になるだろう」と感じていたのですが、座ってみると足元がとても広く、身長188cmの筆者でも首を曲げて座るのではなく、自然な姿勢で移動することができます。座面も硬すぎたり柔らかすぎたりすることがなく、自然におしりが沈み、楽な姿勢で過ごせます。これならコンパクトでも大人4人でロングドライブを楽しめそうだ。そう感じました。 走行中、クルマの中にはさまざまなノイズが入ってきます。ステアリングを握っていると聞こえてくる音もインフォメーションのひとつになりますが、同乗者にとってはただうるさいだけ。 急な登り坂でアクセルを踏み込んだ時、前席ではそれなりにエンジン音を感じましたが、リアシートに座っているときはほとんど気になりませんでした。SUVをはじめ、キャビンと荷室の間に仕切りがないクルマはリアのタイヤハウスなどからのノイズも気になるのですが、フロンクスはそれも耳障りという感じがしない。後席のNVH性能の高さはかなりのものです。 フロンクスに搭載されるエンジンは1.5L NA。ここにマイルドハイブリッドが組み合わされます。スズキの現行車で1.5Lエンジンを搭載するのはジムニーシエラがあります。シエラのトランスミッションは4ATと5MTが用意され、どちらもセッティングはオフロードを意識したものになります。一方、フロンクスのトランスミッションは6ATを搭載。駆動方式はFFと4WDが用意され、セッティングはもちろんオンロード志向になります。 タイトコーナーが続くコースでもロールは少なめ。さらにステアリングをセンターに戻したときも自然に揺れが収束してくれます。ロールの収まりがいいとリアシートに座る人も安心感がありますし、ドライバーも余裕を持って運転できます。免許を取って日が浅い人や街なか中心でクルマを使っている人も、自信を持ってロングドライブを楽しめるだろうと感じました。 もちろんコンパクトなSUVで全高も低いから、街乗り中心の使い方をする人が多く選ぶモデルになるはずです。でもたまには家族や仲間と遠くまで遊びにも行きたい。そんな要望にもしっかり応えてくれそうです。クローズドのコースでごく短時間の試乗でしたが、フロンクスは小さいのに懐の深さを感じさせるモデルでした。
<取材・文/高橋満(ブリッジマン)>