売春指示され、大久保公園で立ちんぼ…〝無間地獄〟に「捕まえてくれてありがとう」 深層 歌舞伎町
「支援を受けられると知らなかった。今は仕事を見つけることもでき、友人にも、警察や役所の方にもお世話になった」。将来に向け、歩みだしたアヤカさん。
「当時の自分には、『すぐ相談しな。絶対やり直せるから』と声をかけたい」
■メンタル崩壊で負の連鎖
「売春が犯罪と考えず、安易に立ちに来る子も多い。『犯罪者になっているんだよ』と、よくよく話をします」。警視庁保安課で売春の取り締まりや更生支援を行い、アヤカさんの取り調べも担当した女性捜査員は話す。
「『抵抗があるのは1回か2回で、それを超えると何も感じなくなる』という子もいる。でも実際は嫌だけどお金が必要、というジレンマに陥ってメンタルを壊す人がとても多い」。今夏には、ホテルで刃物を突き付けて「殺す」と脅したり現金を奪うなどした男が摘発されるなど、密室で危害を加えられる恐れもある。
「売春は精神に不調をきたし、社会にもなじめなくなって負の連鎖に陥る」と女性捜査員。留置時の面会などを通じ、警察から行政の福祉事務所や弁護士につなぐ支援を提案するが、すくい取りきれないのが現状だ。「逮捕されたのをきっかけとして、30代、40代になったらどうするのか、先を見て今を生きていくよう伝えている」と話した。(橋本愛)