【毎日書評】自己肯定感の高い人は、自己効力感も高くなる。その理由は?
自己肯定感との関係
企業や教育現場で自己肯定感の研修を行なっているという著者は、自己肯定感と自己効力感が密接に関係していることをさまざまな事象から感じてきたのだといいます。両者の関係を理解することは、望む結果を得るための行動を起こす際に重要なのだとか。 自己肯定感は、「自分という存在」を好意的、肯定的に受け止め、長所だけではなく短所なども含めて自分をありのまま認め、自分を信頼している感覚です。 一方、自己効力感は、「自分が持っている能力やスキル」を使うことに自信があるという感覚です。(23ページより) 当然ながら、自己肯定感が高いと自己信頼も高くなります。自己肯定感も自己信頼も高い状態になると、自分の経験や努力、学習やスキルの取得におけるプロセスを肯定的に受け止められるようになります。したがって、それらを活用して“自分の能力を信じる根拠”をつくることができるわけです。著者によれば、これが自己効力感の基盤。 そもそも自分への自信は、自己信頼がないと脆くなってしまいます。そのため、自己肯定感が低いと自己効力感を強化するのが難しくなるわけです。 たとえば仕事で大事なプレゼンに失敗し、過度に自分を責めてしまい「能力がない」と思い込んでしまうとしたら、それは自己肯定感が低い状態。プレゼンに失敗したとしても、失敗を柔軟に受け止めて成長の機会と捉え、次に活かせるなら、自己肯定感が高い状態。 プレゼンの前から、「自分はうまくやれる」と信じていないなら、それは自己効力感が低い状態。失敗しても動じることなく、次の成功に向けた強い意欲で準備や努力を続けられるのであれば、自己効力感が高い状態。自分にはできると信じる気持ちが、プラスに働くわけです。 つまり、自己肯定感が高いと、総じて自己効力感は高い傾向になり、自己肯定感が低いと自己効力感も低くなる傾向があるということです。(23ページより) 著者はさまざまな場面において、失敗を恐れずどんどんチャレンジする力、次の一歩を踏み出すための「自己効力感」が強く求められていると痛感しているそう。あらゆる変化をポジティブに捉え、果敢にチャレンジしていけるようになるためにも、本書を参考にしながら自己効力感を高めていくべきかもしれません。 >>Kindle unlimited、2万冊以上が楽しめる読み放題を体験! Source: 総合法令出版
印南敦史