【毎日書評】自己肯定感の高い人は、自己効力感も高くなる。その理由は?
自己効力感とは?
前述のアルバート・バンデューラ博士は、自己効力感を「自己の能力への確信と信頼」と定義したそう。これは、ある目標や行動に対して、「自分ならやればできる」と信じる度合いを表すようです。自分を信じる度合いが強ければ、たとえ目標の達成が困難だと感じても、諦めずにがんばることができるわけです。 ちなみに博士は、「人は誰でも、力強い自己効力感を持てれば、なんでもできる」「人々の日々の生活のなかで、自己効力感の働きほど影響力のあるものはおそらく他にない」と述べているのだといいます。 自己効力感が高いと、ビジネスはもちろん、何か新しいことにチャレンジするときや、困難な問題に直面したときなどに、その状況に対処するために必要なものはすべて自分の中にあると考えられます。 この感覚が自己効力感の先にある、逆境や失敗を成長の糧にして一歩踏みだす力となり、「レジリエンス」を高めることにつながるのです。(21ページより) 自己効力感は、「行動に直結するモチベーションを生み出し、それを高める源であり、行動に変化をもたらす先行要因である」と考えられているそう。そして現在では、ビジネスや経営、教育、スポーツ、予防医学などさまざまな分野で注目されているのだといいます。(20ページより)
自己効力感と自信との違い
ところで日常的に、「自信」ということばが使われる機会は少なくありません。そこで気になるのが、自己効力感と自信との違い。たとえば広辞苑(第七版)には、自信は「自分の能力や価値を確信すること。自分の正しさを信じて疑わない心」と書かれています。「自分自身」を信じることができているのですから、根拠は必要ないわけです。 それに対して、自己効力感は、自分の「能力」や「可能性」に対して信じることで、明確な根拠に基づいた自信であるといえます。自分の経験やスキル、能力や可能性を信じて「自分はできる」と思える根拠となるのは、過去の成功体験やそこまでの努力、学習したことやスキルの習得などからきています。(22ページより) つまり自己効力感が「科学的に高めることができる自信」だといわれているのは、実践や経験などのトレーニングで高めることができるからだということです。(22ページより)