人生設計がうまくいかなかったとき、どうする?【佐久間Pの甘口人生相談「え、それ俺に聞く!?」】
ニッポンのエンタメ界を牽引し、各方面で引っ張りだこの活躍を見せる佐久間宣行さん。人生設計がうまくいかなくてへこんだとき、佐久間さんはどう考え、行動しますか? 【写真】佐久間さんのおすすめ飲食店をもっと見る
【今月のお悩み】周りと比較してへこんでしまう(23歳・大学生)
同級生はこの春に社会人になったのに、私は単位を落として留年してしまい、いまだに大学生のままです。「一年の遅れなんて大したことないよ!」と周りの人たちは言うけれど、大学には後輩しかいないし、親にも申し訳ないし……。同世代と比較し、コンプレックスに感じる自分がいます。そんな自分を変えたいです。
【佐久間Pからの回答】有意義な時間を過ごせるととらえ、糧としよう!
僕も大学2年のとき、年間で一度も授業に出席しなかった結果、留年したことがあります。まだ19歳だったから「社会の落伍者になったんじゃ」と落ち込んだけれど、冷静に考えたら浪人している人もいるよな、と。今振り返ってもやはり気を病む必要なんてなかったし、むしろすぐ社会に出るより、好きなことに没入し、自分を見つめ直す時間があったのは有意義だったと思います。ちなみに当時は徹夜でSFを読み、映画や演劇を観て、ゲームにもどっぷり。そのとき培った知識が今も僕を助けてくれるし、「やっぱりエンタメが好きだからテレビ局に入りたい」という本心に気づけた。順調に進級していたら、エンタメの道を歩んでいないと思います。 好きなものにハマる時間や、試行錯誤して好きなことや得意なことを磨くための時間は、ある意味無駄な時間がないと作れない。相談者は〝今は人生の夏休み〞と割り切り、とことん自分と向き合ってほしいですね。最近だとわかりやすい例がCreepy Nutsで、昨年は多数出演していたメディアを断り、曲作りに専念。作っては削ぎ、構築しては壊しを繰り返し、4曲だけ制作した曲のひとつが「Bling-Bang-Bang-Born」です。 ということで1~2年のズレは社会に出れば気になりません。が、社会に出たら20代のうちに内省してもがき、がむしゃらに働くことも、意味があります。若いうちから打席に立ち、成功と失敗を定期的に経験すると、自ずと仕事の仕方や勝負勘がわかるようになる。30代以降、最前線に立ったときに経験の数や質が違うから、より面白くて深みのある仕事ができていると思います(余裕のある仕事をし続けると、キャリアプランが狭まってしまうのです)。 老舗アップルパイ店のキットはご存じですか? 忙しいとつい店頭で購入しがちですが、自宅で焼きたてを食べられるのは最高。こんな時間の使い方ができるのも、贅沢ですよね。