「私のことは私が決める」。52歳女性医師が2年がかりで挑んだ意外な「自己変容」とは
白髪染め通いのしんどさに加えて、夜中のホットフラッシュもつらかった
もうひとつ、44歳ごろから始まったホットフラッシュも原因でした。私の場合、夜中に頭頂部に大量に発汗して、その汗がしたたる冷たさで目が覚めます。ぐっしょりのパジャマを着替えて、ずぶ塗れの髪をドライヤーで乾かさないと風邪をひいてしまいます。 たかが汗という人もいるかもしれませんが、3日に1回は夜中にもうろうとしながら着替えて、眠くて気が遠くなる中でドライヤーをかけるので、ひたすらしんどくて。メンタルもどんどん削られていきます。 当時はセミロングでしたが、この髪を乾かす手間を少しでも楽にしたくて、やっぱり次でショートにしよう、どうせ切るのならばこの機会にグレイヘアに移行しようと決心したのが前述の10月の白髪染めのタイミングでした。 とはいえ、すんなり決心できたわけでもなく、そこから次の11月の予約までの間にさんざん迷いました。グレイヘアにすることで周囲に何を言われるか……想像もつきませんでした。
困難なことがあったとき、何かを「変える」ことでストレスは減らせる
いっぽうで、私は一人暮らしということもあり、なにか不都合や困難が起きるたびに生活の細かなことを変えて対処してきました。 たとえば、30代後半から更年期症状によくある「手指のこわばり」を自覚していました。当時ホルモン値を検査したわけではないのですが、ドアが開けにくい、お皿を落とす、手指が痛むなどの症状があって。エクオールサプリを飲んで手はややマシになりましたが、お皿を何度も割ってしまったため、軽くて丈夫なお皿に入れ替え、菜箸をトングに変え、鍋も軽いものに変えてと、不調に合わせて環境を整えました。 このような小さなトライの連続で更年期の不調を乗り切ってきたので、髪だって不調に合わせて変えたほうがいいよね、と。 ここまでの前編記事ではカオルさんが脱・白髪染めをしてグレイヘア移行を決めるまでを伺いました。続く後編記事では実際にグレイへア移行を行ってみて「気づいたこと」を教えてもらいます。
オトナサローネ編集部 井一美穂