ツアーと旅するトラックの“欧州”事情 ドライバーに直接聞いてみた
DPワールドツアー(欧州ツアー)はイギリスに本部を置く。とはいえ、試合はイギリス以外にもフランスやトルコといったヨーロッパの国々、中東、南アフリカ、そして東は日本を含むアジア各国と、数多くの国にまたがって展開している。選手、ツアースタッフ、メディアなどの関係者たちと一緒に、近年ではクラブメーカーのツアーバン、そして選手の体のケアを担当する通称“フィシオトラック(※正式にはヘルス&パフォーマンス・ユニット)”が移動するのも当たり前になった。 【画像】渋野日向子も祝福「えぐい!」 でも、アジアまでは来られないだろうなあ、なんて疑問が浮かんだので、トラックのドライバーに聞いてみることにした。
ジェネシス スコットランドオープンの会場には、米ツアー同様に多くのメーカーのトラックが並んでいた。だた、よく見るとフィシオトラックだけは左ハンドルなのだ。その運転手を務めるパトリック・マリーさんは言う。 「このトラックは、右側通行のヨーロッパ仕様なので左ハンドルなんです。でも、今週と来週のイギリスは左側通行。これには少し慣れが必要ですね。グレートブリテン島から大陸へはフェリーで移動しています。ロンドンからずっと東の海岸からアムステルダムへ渡る航路を利用しますね。ツアーでは、いちばん東はトルコまで行きます」 自身の拠点はロンドン郊外にあるらしいが、やはり家ではなく、トラックで生活する時間が長いという。
フィシオトラックは左ハンドルだが、そのほかのツアーバンはすべてイギリス仕様の右ハンドルだ(※ワイパーの向きで外からもわかる)。ツアーバンもヨーロッパを回るが、中東は車ナンバーの規制の関係で難しいらしく、行かないと言う。アジアは距離的にムリ。また、右ハンドルの車体で左ハンドル仕様の大陸に行った場合、料金所での支払いが難しいのでは? という疑問もあるが、最近は自動精算のおかげでほとんど苦労することはなくなったのだとか。 日本では左ハンドルの乗用車を見ることは珍しくないが、左ハンドルの大型トレーラーを見かけることはまずない。狭い道で左ハンドルのトレーラーの運転は難しくなはいのかなあ、と心配になったが、プロのドライバーには朝飯前。こちらの杞憂にすぎなかったようだ。(JJ田辺カメラマン)