吉岡里帆が「本当に最高」と感激した、『情熱大陸』ナレーションとは? 窪田 等が“声で伝えるポイント”を語る
ナレーター・窪田 等(くぼた・ひとし)が、印象的だった『情熱大陸』の収録エピソードや、自身のYouTubeチャンネルの活動について語った。 窪田が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『UR LIFESTYLE COLLEGE』(ナビゲーター:吉岡里帆)。9月15日(日)のオンエア内容をテキストで紹介する。ポッドキャストで配信しており、全国で再生可能。
『情熱大陸』でお馴染みにナレーターがゲストに登場
窪田 等は1951年、山梨県生まれ。高校卒業後、大手情報通信企業の技術職を経て、ナレーターへ転身。以降、『情熱大陸』(TBS系)をはじめ、テレビ、ラジオなどの各媒体でドキュメンタリー、情報バラエティ、CMなどあらゆるジャンルのナレーションで活躍している。 吉岡:来ていただけて、とても光栄です。 窪田:こちらこそ。吉岡さんとどんなお話ができるのかと楽しみにしておりました。 吉岡:絶対にラジオでお会いしたいと思っていました。同じブースであのお声を聞けたらこんなに幸せなことはないなと。 窪田:どうでした(笑)? 吉岡:すごく今、耳が幸せです。窪田さんといえば、毎週日曜に放送される『情熱大陸』。こちらは1998年にスタートして以来、26年担当されていらっしゃいます。 窪田:長いですよねえ。1,300回を超えましたからね。 吉岡:驚きです。ブースに来ていただいて感動したのが、ミキサーさんに「よろしくお願いします」と頭を下げていらっしゃったことです。 窪田:僕らは普段の仕事柄ディレクターさんとは戦ったりしますけども、ミキサーさんは味方につけないと(笑)。声の調子のトーンをかえていただけますから。それこそ50年ぐらい昔に「ミキサーさんとは絶対に喧嘩をするな。ツマミ1つでお前の声なんかどうにでもなる」と言われたことがあるんですよ(笑)。今でもその思いは変わらないです。
声だけで伝えるために重視すること
ナレーションの仕事に携わることもある吉岡は、窪田から“声だけで伝えること”で重視するポイントを聞いた。 窪田:声だけというのはやはり制限がありますからね。声の持っている力とか、あるいは表現力など、響きがものすごく大事になるわけです。私たちが気を遣うのは、文章の内容です。区切り方1つでも違ってくるから、どういう風に伝えたらいいだろうか、もっと言えば作家さんがどういう思いで書いたのか、その文章をどのように伝えたらいいかをまず考えます。点の打ち方で意味合いが変わりますからね。 吉岡:全然違いますよね。 窪田:ですから、わからないことはしっかりと確認をして喋っていく、ということをやっています。 吉岡:読む側がしっかりと(内容を)理解していないといけないという点にすごく共感しました。もちろん、言葉は書いてあるのでその通りに言ったらお客様に伝わるんですよね。でも、どのように伝わってどのように伝わるべきなのかを考えていくということを、どんなにベテランの方も必ず大事にされているんだなと感じました。 窪田:常に仕事の第一がそれですね。台本を読み、まず「これはどういうことなんだろう?」と画を想像しながらやります。何の抵抗もなくスーッと内容が入っていくようなナレーションができたら最高だなと思いますね。 吉岡:もう、すでにそうですよ! 窪田:なかなか難しいんです(笑)。 吉岡:スタッフさんとは普段どんなやり取りをされるのでしょうか? 窪田:テレビの番組だとバラエティとか情報系はそのままポンポンと録っていくんですよ。台本を見たらすぐに録ります。ただ、特に僕がレギュラーでやっているドキュメンタリーの場合は、頭から全部見せてもらうんですよ。それで内容を理解する。その前の下読みの段階から「これはどういう意味だろう」というのがあればディレクターに聞くと「映像を観たらわかりますよ」と言われるので、それを観たら納得。「これでいける、わかりました」って感じですね。