孟鋼鉄、鋼材加工の能力・機能を大幅増強。海津市に大型木造工場新設へ
特殊鋼の加工販売を手掛ける中部地区流通、孟鋼鉄(本社・名古屋市昭和区、社長・伊藤友一氏)は鋼材の加工能力、機能を大幅に増強する。岐阜県海津市に大型の木造工場を建設し、来年末をめどに本稼働を始める方針を固めた。環境配慮型の工場建設を通じてSDGsに貢献するとともに、付加価値戦略を加速。協力会社とのシナジーを発揮しながら、加工能力を現在比1・5倍以上に引き上げたい考えだ。 同社はこれまで三重センター(三重県三重郡川越町)で提携会社と協業して建産機、工作機械ユーザーへ供給する特殊鋼、ステンレスなどの機械加工を行ってきた。 近年、より付加価値が高い事業へのシフトを目指す中で、機械加工のもう一段の強化を決断。能力を底上げするとともに業務の高度化、新事業創出に経営資源を振り向ける計画を打ち出した。 三重センター・提携先の中間地であり、自動車でのアクセスが良い海津市の用地(敷地面積約7千平方メートル)を購入し、新たな拠点を設けることとした。 新設する「海津センター(仮称)」の建屋面積は、同社最大規模の約3500平方メートルとなる見通し。工場中二階に事務所、食堂兼打ち合わせスペースを配置する計画だ。 三重センター、提携先からの移設と一部機械の更新を実施、約50台の加工設備を据え付け約30人が業務に当たる。今年12月に着工し、来年11月の完成、稼働開始を予定する。 工場棟はHAGIホーム・プロデュース(岐阜県大垣市)が施工し、地球環境に配慮した木造とする。脱炭素対応だけでなく、断熱性向上などによる働きやすい環境を構築することで社員に優しい職場づくりも狙う。 なお構内に1トン天井クレーン4基を据え付けるが、大型木造工場に複数のクレーンを設置するのは全国で初めてとなる。 孟鋼鉄は今回の丸棒加工部門のハード増強によって商品、サービスの高付加価値化に磨きをかけ、顧客満足度を高めることで中長期的な売上高および利益率の増加を目指す。