「光る君へ」柄本佑、最終回で減量していた まひろと道長、別れのシーンの裏側
柄本は「(第42回の宇治の)川辺のシーンでも少しやつれた感じでいっていて、それである時チーフ演出の中島(由貴)さんかとすれちがったときに“あの感じはちょっと痩せたの?”と聞かれたので“ああ、そうですね。やつれていると書かれていますし”と答えたら“じゃあ、最期のシーンはもうちょっとだね”って(笑)! それで撮影が終わったあと、“中島さん、言ってましたよね”って言ったら“わたしそんなこと言った?”って。「あんただよ!」みたいな(笑)。でも多少、画の中で説得力があった方がいいとは思ったので」と経緯を語り、吉高は「でもちゃんとやるってすごいよね!」と感嘆。
柄本は「四日ぐらい撮影があって二日は普通の状態でいて、三日目から「やつれろ」と(笑)。道綱さん(上地雄輔)がその前に撮影が終わられてきてくれたんだけど、“佑、全然違うじゃん!”って」と共演者も驚いていたことを明かした。
まひろが枕元にやってきた時、道長は残った力を振り絞るかのように左手を差し出したが、この意図については「台本には、まひろを探すような感じということが書いてあって。目が見えないからああいうふうに弱弱しく手を出して。だからやっぱり触れたかったんじゃないかと思いますね」と柄本。
まひろは涙を流しながらも道長に悟られぬよう気丈に振舞う。吉高は同シーンを「あのシーンは3テイクぐらい撮りましたよね。わたしの鼻水が止まらなくて。渾身の三回目の…ぎりぎりの自分の中のものをかきあつめてやりました。苦しいですけどね」「声だけはまだまだ道長は生きるぞ、と鼓舞するような感じ、励ますような声で。だけど顔は歪んじゃうよねって。いうのは簡単なんだけど、やるのはこっちだからねって(笑)。本当に大事なシーンだったので他のシーンが駆け足になっていないか心配になっちゃうぐらい。そのぐらいひいきされていたシーンだった」と振り返った。
まひろに抱かれながら水を飲む道長は子供に還ったかのような表情だったが、柄本は「そぎ落とされていくような感覚だった」と話す。