PK戦の明暗… コパ敗退のブラジル、監督の行動が母国で猛烈批判! EURO準Vイングランドの取り組みには絶賛の声が
また、ドリバル監督には当てはまらないのだろうが、ヨルデット氏はPK戦のキッカーの決定を選手に任せる監督が存在することにも言及し、「選手が自ら名乗り出るのは責任感からであり、必ずしも彼らが最適な選手だからというわけではない。そのような重要な決定を選手に委ねるようなことは馬鹿げている」と批判した。 一方、この50歳の教授が最も理想的な準備を行なっていると称賛したのが、EURO2024で2大会連続の決勝進出を果たしたイングランドだ。決勝では惜しくもスペインに敗れたものの「スリーライオンズ」は、準々決勝スイス戦でPK戦に臨み、5人全員が成功。各選手が非常に冷静で、自信をもって決めていた様は、これまでの「イングランドにとってPK戦は鬼門」というイメージが覆されるものだった。 これは、FA(イングランド・サッカー協会)でアナリストを務めたクリス・マーカム氏が、「PK戦はくじ引き、運任せ。プレッシャーを克服する練習方法はない」というそれまでの意識を払拭し、2018ロシア・ワールドカップでのPK戦勝利を目指して18か月間のプロジェクトを実施したことによるものだという。 これをガレス・サウスゲイト監督も受け入れ、助走のステップ、角度、スピード、呼吸法、最適な狙いどころ、GKの動きへの対応、そして失敗した選手に対する姿勢など、細部に至るところまで、徹底的に改善。ヨルデット教授は、「彼らが何をしているのかを聞いた時、私は驚きと同時に、喜びを隠せなかった。なぜなら、それまでそのようなものを見たことがなかったからだ」と、通信社『Reuters』に明かしている。 マーカム氏は「PKを運任せだと捉えることで失われていた主体性を選手に取り戻させることが必要だった」と心理的アプローチの重要性を強調したが、こうした動きは今後、ブラジルを含む世界中に広がり、それがスタンダードなものとなっていくのかもしれない。 構成●THE DIGEST編集部
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