磯村勇斗 映画製作現場の環境改善に積極発言「仲間を探しています」 第37回東京国際映画祭「ウーマン・イン・モーション」
ハラスメント問題解決や働き方の改善をめざして、映画撮影現場の改革が、ようやく進み始めた。社会的な発言に消極的な芸能人からも、声が上がり始めている。磯村勇斗も、環境改善を求めて活動する一人だ。第37回東京国際映画祭では「ウーマン・イン・モーション」の座談会に参加。続く取材でも、問題意識を率直に語ってくれた。 【写真】コンペティション部門で最優秀男優賞を受賞し、審査委員長のトニー・レオン(左)と笑顔で記念撮影に臨む長塚京三
女性だけで解決できる問題ではない
「ウーマン・イン・モーション」では、俳優の菊地凜子、プロデューサーの岡野真紀子と現状を話し合った。自身はデビューから10年、現場の変化を感じているという。「近年は女性のスタッフさんが圧倒的に増えた。女性が働きやすい取り組みが、映像業界にも少しずつ広がっているようです。ただ、女性だけで解決できる問題ではないですから、男性も一緒に向き合い、理解していくことが大切だと思っています」 現在32歳の磯村は、自身と同じく30代の世代は問題意識が高いといい「現場では同世代の俳優や監督たちと問題改善のための話題になることはよくあります。昭和的なやり方も知っているし、時代の流れも見ているからこそ鋭い視点を持てると思います」。そんな中で年上のプロデューサーや監督にも積極的に意見することもあるという。「クリエーティブな活動にディスカッションはつきもので、年齢関係なしにそういった環境を作っていくことが大切」 日本と海外の撮影現場の違いについて、Netflix配信予定の「ソウルメイト」での撮影をソウルやベルリンで終えた磯村は、さまざまな気づきを得たという。「日本では、撮休でもスタッフさんが稼働していることがありますが、海外の現場では土日は絶対に休みでした。全員休みがきちんと取れていることで、心の余裕が圧倒的に違いました」。またノンストレスだったもう一つの理由として「日本よりもっと、LGBTQなど性的少数者や人種に対してオープンマインドに捉えている方が多いので、現場のスタッフさん同士が一つのチームとしてやるスタイルがとても心地よかった」そうで、違いを体感したようだった。