【発達障害の思春期女子】14歳で初潮を迎えた自閉スペクトラム症の子は不安で外出できなくなったことも。親が教えるべき知識と生理用品の準備の仕方は?
正しいナプキンのつけ方がわかっていない子も多い
生理用ショーツも様々なデザイン(ボクサータイプ、ショーツタイプ等)や素材があります。ショーツやナプキンの肌ざわりに対する反応も個々よって違うので試しながら合うものを見つけていくのがおすすめです。自閉スペクトラム症の中でも、特に感覚に過敏さやこだわりを持つ子の場合は、その子に合ったものを探してあげて欲しいと思います。 「生理中毎日シーツを汚す」と言う保護者からの相談がありました。「ナプキンはサイズ別に購入して準備してある」とのことでしたが、本人からよく話を聞いてみると、経血量によってナプキンを使い分けること、経血の量が変化することなど、理解していない事がいくつかありました。保護者は用意をしてあるつもりでも、具体的な用途や使い方がわからなくては役に立ちません。この子は、寝る際に大きいサイズのナプキンを着けることを知らなかったためにシーツが汚れてしまっていたのです。 ■生理ショーツにナプキンを合わせる目印をつける 自閉スペクトラム症の子の中には、ナプキンをどの位置につけてよいか解らない子も結構見受けられます。生理用ショーツには布が二重になる部分があり、視覚的につられやすい子は、二重になるところの線に合わせてナプキンをつけてしまう子が結構います。その場合、座位になると前から経血が漏れてしまいます。 視覚的に確認ができるよう、生理用ショーツに糸で「ナプキンの頭を合わせる線」をつけることもおすすめです。ただし、感覚過敏の子への配慮として、糸の結び目は肌の接触面にしないようにしましょう。布用テープを貼るなど目印を付けるようにするのもおすすめです。 自閉スペクトラム症の子は「こんなことわかるだろう」と大人が思っている事が分からないことが多いのです。生理に関しても、子どもの理解度や発達段階に合わせたアプローチが必要なことを理解していただきたいと思います。 【記事監修 藤原美保さん|(株)スプレンドーレ代表】 健康運動指導士、介護福祉士、保育士、公認心理師。株式会社スプレンドーレ代表。 発達障害の女の子の性教育や身だしなみ教育に力を入れてきた、放課後等デイサービスLuce(ルーチェ)を2022年3月まで運営。2022年5月から、障害のあるお子さんと保護者が通う事ができ、施術中に療育相談を受けられる美容・脱毛サロンLuceを運営。発達障害のお子さんの療育アドバイザーとして相談や療育コンサル、発達障害のお子さんへのオンラインでの性教育を行う。著書に『発達障害の女の子のお母さんが、早めにしっておきたい47のルール』(エッセンシャル出版)、『発達障害の女の子の「自立」のために親としてできること』(PHP研究所)がある。
文・構成/HugKum編集部