【発達障害の思春期女子】14歳で初潮を迎えた自閉スペクトラム症の子は不安で外出できなくなったことも。親が教えるべき知識と生理用品の準備の仕方は?
具体的な生理への準備の前に必要なのはまず「排せつ」への知識
私が運営していたLuceでは、小学校1年生の時に「食事、排せつ、睡眠、衛生」について教えていました。自閉スペクトラム症の子の場合、自分の知っている情報と新しい情報をつなげる事ができない子が多いのです。なので、まずは自分の身体の事を知ってもらうことが大事だと考え、身近な日常生活とつなげて教えていました。 自分の身体はどんな風になっているのかなど食事と排せつの関係や、それぞれの臓器の大まかな働き(胃、腸、肝臓など)を伝える際に、「子宮」についても、どういう役割がある臓器か、そして、女の子の身体には尿道口、肛門、膣口がある事も一緒に教えていました。 小学校4年生になっても尿と便が同じ所から出てくると思っている子も少なくありませんでした。わたしは、内臓の仕組みが具体的にわかる布でできた教材を使っていましたが、ご家庭では、絵本でもいいですし、図鑑でも、図書館で借りてもいいと思います。とにかく、目で見て確認できることが大切です。
「生理」の前に「おりもの」の知識を
小学校でも4,5年生ごろに生理を教えているようですが、その際に「子宮」という臓器の存在を初めて知る子もいると聞きます。自閉スペクトラム症の子は、自分の身体にいきなり「子宮」ができたと思う子も多いのです。普段の生活の健康管理の情報を、やがて来る「生理」への準備につなげることがおすすめです。 まず、生理の前に「おりもの」が始まる事を知らない子はかなり多いです。いきなりパンツにネバネバする物が付くようになり、不安で何度もパンツを変える子もいました。「おりもの」が始まったらお子さんに「大人の体になる」準備が始まった事を伝えてください。 子宮や卵巣は、女性ホルモンを分泌し女性の身体の健康を保つ大事な役割がある臓器です。「おりもの」は膣内部粘膜を守り、汚れを排出するなど黴菌が子宮内に侵入するのを防ぐ役割があります。色やにおいなどから身体の異常が解ることも知っておきたいことです。 ■おりものシートを使ってみる 自閉スペクトラム症の子には生理のナプキンを使う前の練習として「おりものシート」を使ってみることを保護者におすすめしています。「おりものシート」のショーツの付け方や取り換え方、捨て方を練習しておくことは、親子共々「生理」を迎える心構えになります。