オグリキャップ直系ひ孫が引退へ 種牡馬入り模索のオーナー「絶対に血は残したい」
伝説の名馬の血は引き継がれるのか。昭和から平成にかけて競馬ブームを牽引した〝芦毛の怪物〟オグリキャップの直系ひ孫にあたるフォルキャップ(牡4)が30日、門別競馬12Rに出走。5着に敗れた後、現役引退することとなった。同馬オーナーの八嶋長久氏が明かした。 同馬は2020年4月14日、父クレイドルサイアー、母コスモフリップとの間に誕生。22年6月2日の門別競馬でデビューし、同年9月に初勝利を挙げた。大井に移籍した後、昨年10月から再び門別に所属。4歳となった今年は3勝を挙げてファンの期待に応えていた。 この日のラストランを見届けたオーナーの八嶋氏は「今まで一生懸命、走ってくれた。お疲れ様でした」とねぎらいつつ、引退を決断した経緯ついて「無理して現役を続けて、万が一、ケガをしたらファンの夢が消えてしまう」と説明。「オグリの子は走らない」と揶揄(やゆ)され、直系の血が絶滅の危機に陥る中で誕生したフォルキャップの今後については「できれば種牡馬になってほしい」と希望する。 現在、オグリキャップ直系の現役馬はフォルキャップの他にオグリヨンセイ(牡4)がいるが、両馬の父クレイドルサイアーは昨年4月に天国に旅立った。つまりオグリ直系の血は2頭のひ孫によって細い糸でつながっている形だ。八嶋氏は「とにかくオグリキャップ直系の血は絶対に残したい。その思いが一番です。オグリファンの夢を乗せ、いつか子供を誕生させてほしい」と目を細める。 今後はクラウドファンディングも視野に入れ、種牡馬登録を目指して委託する牧場を模索。偉大な遺伝子を未来へ残すべく、オーナーの奮闘は続く。
東スポ競馬編集部