学芸員の仕事を体験 20人が土器修復に挑戦 徳之島の伊仙町
鹿児島県徳之島の自然や文化などについてさまざまな観点から学ぶ「徳之島のいろは」の講座「カムィヤキの世界」が28日、同島伊仙町の町農業支援センターであった。島内の親子連れ約20人が受講。同町で発掘される土器カムィヤキの修復作業など、学芸員の仕事を体験して調査、研究の面白さを学んだ。 「徳之島のいろは」は伊仙町歴史民俗資料館が主催する「地域の特色ある埋蔵文化財活用事業」で実施。今年度は全5プログラムがある。 カムィヤキは今から約1000年前に奄美・沖縄地域で日常的に使われていた土器。同町には国指定史跡の「カムィヤキ陶器窯跡」があり、多くの土器が発掘されている。 講座では土器の表面の模様を紙に写し取る「拓本」、土器の破片を接着して復元する「接合」、写真撮影など、学芸員が実際に行っている作業を体験した。接合は土器の代わりに、割れた陶器を利用。参加者らは根気の要る作業に集中して取り組んでいた。 母親、弟と一緒に3人で受講した小学3年女児は、「恐竜が好きなので発掘作業に興味があった。写真を撮る方法を教えてもらったのが楽しかった。将来は研究者になりたい」と目を輝かせた。 同館学芸員の安田未来さん(34)は、「想定以上に好評で、親子で興味深く取り組んでもらえた」と手応えを示し、「土器の中には発掘から復元まで3~4年かかるものもある。体験を通して私たちの仕事や役割を理解してもらいたい」と期待した。