「オルバン・ハンガリー」と共鳴する米「親トランプ保守」
親トランプ保守の理想の国
ハンガリーのオルバン首相が登壇した2022年のCPAC(CPACハンガリーの特設サイトより)
2022年5月、アメリカの共和党関係者を中心にした欧米の保守主義者が、ハンガリーのブダペストに集った。著名な保守の活動家や政治家が登壇する大規模イベントである「保守政治行動会議」(Conservative Political Action Conference)、通称CPACが当地で行われたのである ¹ 。CPACがアメリカ国外で行われたことは過去にもあるが、ヨーロッパでの開催は今回がはじめてだった。このCPACハンガリーでは、4月の議会選挙で与党「フィデス・ハンガリー市民連盟」が勝利をおさめ、 通算で5回目の首相就任を果たしたオルバン・ビクトル が基調講演を行い、ドナルド・トランプ元大統領もビデオレターのかたちをとって参加した ² 。 保守勢力が議会で安定的に議席を確保するなか、移民の受け入れを規制し、キリスト教的価値観に根差した国づくりをしているハンガリーは、アメリカの親トランプ保守にとって今や理想の国家である。他方でオルバンもまた、 トランプ以降のアメリカの保守 の動向から多くを学び、深く共鳴してきた。オルバンと親トランプのアメリカ保守とはその意味で、緊密な相互関係を築いている。
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井上弘貴