なぜ泥舟が浮かんでいる?屋根に木が生えている?「まるでジブリの世界」と世界中が驚いたユニークすぎる日本の建築に込められた思いとは…
7 ラムネ温泉館/大分県
焼杉、漆喰、手揉みの銅板屋根、その上に立つ松の木、藤森建築のボキャブラリーが勢ぞろいしたこちらの建物は、大分県竹田氏の長湯温泉にある「ラムネ温泉館」。 シマウマのような白黒の外壁は焼杉と漆喰によるもの。杉は焼くことで耐久力が高まるが反りが出てしまう。そんなジレンマを解消すべく板の間に漆喰を塗り、この縞模様が生まれたそうです。 漆喰でつくられた洞窟のような大浴場も特徴的で、その入口は藤森さんらしく茶室のようなにじり口を思わせるつくりになっています。 長湯温泉は古くから湯治場として有名。その特徴的な炭酸泉に浸かりながら、藤森建築の空間を体験してみませんか。 所在地:大分県竹田市直入町大字長湯7676-2
8 浜松市秋野不矩美術館/静岡県
インド滞在をきっかけに異国の地の人と風景を主題とした壮大な日本画を数多く残した画家・秋野不矩(あきの ふく)の作品を収蔵する美術館。 設計のテーマは光。光が充満する空間にポッと絵だけが浮かんでいるような空間を実現すべく、天井の照明を見せず、額縁の影が壁に落ちないことを意識して設計に取り組んだといいます。 そうして出来上がった大盤の白大理石と漆喰に包まれた展示室は、光の乱反射により、壁・壁・天井や接点や入隅が見えない独特の雰囲気を醸し出しています。 ちなみに、床まで純白に仕上げたため、土足NGという珍しい美術館となっています。 所在地:静岡県浜松市天竜区二俣町二俣130
10 ラ コリーナ近江八幡/滋賀県
和洋菓子を製造販売する「たねやグループ」のフラッグショップ。約3,5000坪の広大な敷地に建つ4棟とランドスケープの設計を藤森さんが手掛けました。 まさに藤森建築の植物仕上げの集大成とも言える建築群。高麗芝で全面が被われた屋根が目を惹きます。その佇まいは小さな丘がそのまま建物になったよう。 ショップや田んぼ、展望室、バームクーヘン工場を巡るツアーが開催されています。ぜひ参加をしてみてはいかがでしょう。 所在地:滋賀県近江八幡市北之庄町615-1