今年4月から車検が「2か月前」から受けられるようになりますが、実際に何が変わるのでしょうか?
車検混雑解消の新規定
日本自動車販売協会連合会(東京都港区)が2024年12月5日に発表した「登録車+軽自動車販売数(新車)」によると、2024年1月の販売台数は33万4807台、2月は34万4809台、3月は45万1426台で、特に3月に販売が集中していることが確認された。 2023年の販売台数は以下の通りで、やはり年度末の3月に最も多く販売された。 ・1月:38万2327台 ・2月:42万6724台 ・3月:57万2470台 ・4月:34万9583台 ・5月:32万6720台 ・6月:39万2702台 ・7月:37万9022台 ・8月:34万316台 ・9月:43万7478台 ・10月:39万7658台 ・11月:41万1057台 ・12月:36万2804台 過去5年間、年度末の3月に販売台数が最も多くなる傾向は一貫しており、この時期の販売の集中は変わっていない。 車検の有効期限は通常、新車登録日から始まるため、年度末に車検を迎える車が多くなる。このため、車検の予約が集中し、整備士には残業や休日出勤の負担がかかる状況が発生することがある。 2025年4月1日から施行される新しい規定により、有効満了日の2か月前から満了日までの間に車検を受けることが可能となる。この改正により、整備工場は車検の受け入れ時期を早めることができ、年度末の混雑を緩和し、受け入れ台数の平準化が期待されている。これにより、整備士の業務負担が軽減されることにも繋がるだろう。
年末年始の車検予約難民
車検は有効期限が切れる前に受ける必要があるが、受ける時期については特に決まりはなく、ユーザーの都合でいつでも車検に出すことができる。しかし、有効期限の1か月前より早く車検を受けると、その日から新しい有効期限が始まるため、次回の車検までの期間が短縮されてしまう。そのため、一般的には1か月前から車検満了日までの期間に車検を受けることが推奨されてきた。車検には ・民間車検 ・運輸局に持ち込んで車検 の2種類がある。民間車検の場合、指定自動車整備事業の指定を受けた工場で車検を受けられ、工場が営業している時間帯であればいつでも対応可能だ。 一方、運輸局に持ち込んで車検を受ける場合、土日・祝日は休業となるため、平日に受検しなければならない。そのため、車検満了日の1か月前に旅行や出張などの予定がある場合、車検の予約が難しくなり、特に年末年始の休暇が重なると調整が困難になることが予想される。 筆者(小島聖夏、フリーライター)は、1月中旬に車検の有効期限が切れる車に乗っており、車検を受けるための調整に苦労した経験がある。運輸局は土日と年末年始(12月29日~1月3日)が休業となり、1か月のうち約1週間は車検を受けられない状況に直面した。 そのため、2025年4月から施行される有効満了日の2か月前から満了日までの間に変更されることは、多くの人にとってありがたい変更となるだろう。