“バスケ王国”アメリカ、男子3X3代表が2勝5敗でまさかの“予選ラウンド敗退”...原因は文化と出場条件か【パリ五輪】
アメリカが“お家芸”で大きな屈辱を味わっている。 パリ五輪男子3x3バスケットボールの予選ラウンドがこのほど終了し、アメリカ代表(世界ランク2位)の敗退が決まった。バスケ王国に今、何が起こっているのか。 【画像】パリ五輪に挑むバスケットボール男子日本代表のメンバー12名を一挙紹介! 元NBA選手のジマー・フレデッテを擁し、殿堂入りを果たしNBAで得点王にも輝いたリック・バリーの息子キャニオンなど実力者を揃えている男子アメリカ代表。東京五輪では出場権の獲得すら叶わなかったが、2023年のワールドカップで銀メダルを獲得しておりパリ五輪ではメダル獲得に期待がかかっていた。 しかし結果は2勝5敗、8チーム中7位で予選ラウンド敗退。その要因の1つが第2試合ポーランド戦でのフレデッテの左足内転筋じん帯断裂による負傷離脱であることは間違いないが、フレデッテが出場した第1試合セルビア戦も14-22と大敗。圧倒的な支配力が無いことは明らかだった。 米大手スポーツ専門チャンネル『ESPN』は現地8月4日、3x3アメリカ代表が他国チームと異なる点についての特集記事を配信。同記事によると、他国選手が3x3専門のプロとして国から報酬を得て活動しているのに対し、アメリカではあくまで5対5の選手が副業で出場するものにすぎないという現実があるという。 また、3x3の五輪出場権獲得には、チームと選手のそれぞれが国際大会の成績で与えられるポイントが必要。しかしそのような大会はNBAやWNBAのシーズンと同時期にアメリカ以外で開催されることが多く、選手の確保すら難しい。今回出場した中にはプロチームを離れて3x3に専念すると決断した選手もいたという。 一方でNCAAのスター選手で今大会女子3x3アメリカ代表としてプレーするヘイリー・ヴァン・リスは出場権獲得のために、大学のオフシーズンに25大会に参加してきたという。しかしヴァン・リスは「オリンピックの3対3でプレーするのは問題ない。でも、最終的には5対5の選手になれるように、自分が向上し続けるための良い方法だとも思っている」と話すように将来的に5対5の選手を目指す選手のキャリアアップの場として活用できるのではないかと語った。 なお女子代表は初開催の東京五輪で金メダルを獲得。今大会も3位で予選ラウンド通過を果たしている。 構成●THE DIGEST編集部