トヨタが「ウーブン・シティ」構想の状況を発表 工事のPhase1が完了
トヨタ自動車は2025年1月6日(現地時間)、米国ラスベガスで開催されているCES 2025において、モビリティーのテストコース「Toyota Woven City(以下、ウーブン・シティ)」のPhase1の建築が完了したことと、2025年秋以降のオフィシャルローンチに向けて、その準備を本格化することを発表した。 【写真】富士山ろくに広がる近代的な街! ウーブン・シティの現在の様子を見る(7枚) ウーブン・シティは2020年のCESにおいて公表されたプロジェクトで、「トヨタがモビリティーカンパニーへと変革するためのテストコース」と位置づけられている。同年以降、ウーブン・バイ・トヨタ(ウーブン・プラネット・ホールディングスから社名変更)とともに開発が進められており、トヨタではウーブン・シティに集うInventorsやWeaversといった人々(後述)を中心に据え、モビリティーの拡張によりヒトや社会の可能性を広げ、幸せの量産という共通のゴールを目指すとしている。 2021年2月23日に地鎮祭を執り行い、静岡県裾野市のトヨタ自動車東日本の東富士工場の跡地にリアルなテストコースとして建設を開始。2024年10月末には最初に実証を開始するPhase1の建物が完成した。 設計にあたり、環境への配慮のみならずクオリティー・オブ・ライフの向上などヒトを中心に据えた取り組みを行っていることが認められ、日本初となる「LEED for Communities」の最高ランクであるプラチナ認証を取得したのもトピック。今後は内装工事やインフラなどの準備を本格化させ、2025年秋以降に実証を開始し、オフィシャルローンチを迎える予定という。Phase2の造成工事もすでに始められている。 ウーブン・シティにおいては、トヨタが長年培ってきたものづくりの知見やウーブン・バイ・トヨタがもつソフトウエアのスキルなどの強みを生かしたツールやサービスなどの仕組みを社外のInventors(インベンターズ/発明家)にも活用してもらい、社会課題の解決や未来のための新価値創造をサポートする計画だ。 また、Weavers(ウィーバーズ)と呼ばれる住民やビジターからリアルなフィードバックを受けながら、さまざまなInventorsとのコラボレーションを通じて、未来につながるイノベーションを生み出していくという。 なお、Weaversとして実証に参加しながらウーブン・シティで暮らす住民については、2025年秋以降のオフィシャルローンチ時点ではトヨタおよびウーブン・バイ・トヨタなどの関係者とその家族100人程度を想定。その後、社外のInventorsやその家族などに少しずつ拡大する計画だ。人口はPhase1エリアでは最終的に約360人、Phase2以降も含めて2000人程度となる予定。ビジターについても、関係者から受け入れを開始し、2026年度以降は一般の人にもWeaversとして実証に参加してもらう計画があるという。 ウーブン・バイ・トヨタはこれに合わせて、陸・海・空のモビリティーをさらに宇宙に拡大することを視野に、宇宙の総合インフラ会社であるインターステラテクノロジズへの出資および、トヨタのモノづくりの知見を生かしたロケット量産化のサポートを決定したこともアナウンスしている。 (webCG)
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