【地方競馬】兵庫競馬の交流重賞で地元馬がなかなか勝てない訳とは…
「レース記者コラム 仕事・賭け事・独り言」 兵庫競馬の交流重賞で地元馬がなかなか勝てない。最近では、エコロクラージュが勝った10月18日の地方全国交流重賞・兵庫ゴールドカップまで5連敗を喫していた。遠征勢が長距離輸送を苦にせず結果を出すのに、地元勢は走り慣れた馬場で活躍できない。 近年は高知勢の活躍が著しい。高知の馬場は深くて重い。そこで日々の調教とレースで鍛えられるので、高知の馬には他場の馬場が軽く感じられる。だから、高知のレースなら3~4角で脚が鈍る馬でも、他場ならそこならさらに脚を伸ばせる。高知の調教師、騎手はそう説明する。 JRAとの交流戦ではレーススタイルの違いが明白だ。JRA勢はテンから飛ばして、速いペースで流れる展開を築き、最後までスピードが衰えない。兵庫のレースは園田でも姫路でも、スタート直後にペースを緩めて、向正面から仕掛けての上がり勝負が特徴だ。 つまり、トップスピードを長く維持できるスタミナが兵庫の馬は不足しているのだろう。兵庫でもダートグレード競走などに出走機会が多い調教師はその点を危惧する。現状のレーススタイルでは、他地区に対抗する強化につながりにくい。 地元馬同士の争いなら、兵庫の特徴は独自の面白さとしてアピールできる。ただ、今年から「全日本的なダート競走の体系整備」が始まった。JRA、地方の枠を超えた3歳ダート3冠競走が創設され、大井の東京ダービー・Jpn1でJRAの馬が勝った。そんな舞台で兵庫の馬が活躍を目指すのなら、レーススタイルの見直しから始める必要がありそうだ。(地方競馬担当・中山伸治)