日大「言った」「言わない」の醜い水掛け論会見で浮き彫りになった問題点
それよりも問題は学生を指導する立場の人たちが、どちらかと言えば、弱者の学生を相手に「言った」「言わない」の水掛け論を仕掛けていることだ。そこに今回の事件がおきた背景がある。内田前監督は「フィールドでおきたことはすべて私の責任」と結果責任は認めているが、そのプロセスを含め、本来守るべき立場にある学生を守らず、自己保身に走った。そもそも彼らは指導者として失格だったのだ。 2時間にも及んだ会見では、さすがにボロが出て、随所に内田前監督、井上コーチが指導者として失格だった点も浮き彫りになってきた。 内田前監督は、悪質タックルが行われた場面について、こう言い訳をしていた。 「言い訳になってしまうのですが、その時、ボールを見てしまい宮川選手のプレーを見ていない。あれよ、あれよ、と次のプレー、次のプレーとなってしまった。本来は全体を見なければいけない。反省すべき点です。後で、ビデオを見るまで、どの程度の反則かが、正直わからなくて……。小競り合いのラフプレーでの資格没収はわかりました。でも、その他が抜け落ちていた」 一方、ディフェンスラインコーチの井上コーチは、しっかりと、そのシーンを見ていた。 だが、彼もまたそこで宮川選手を注意することもベンチに下げることもしなかった。 その理由をこう語った。 「見ておりました。1プレー目で、ああいう形になることを想定していませんでした。僕の思いとは、ちょっと違うなと。でもそこで呼び戻せませんでした。(あそこで)交代させるなりしていたら良かったと、終わってから思いました。その試合で彼にやらしたかったことは、思い切りやることで、スタートして、がむしゃらにやってほしいという気持ちだったので彼を継続して出してあげたいなと、そのことしか考えられませんでした。判断ミスをしたなと思っています。もともと僕は彼に対してハッパをかけてきました。2日前に、彼にいろいろと結果が出るように思って。それに対して、彼が、そういう気持ちで臨んだのですが、冷静にしてやろうとか考えていなかった」 つまりこういうことだ。