三重・松阪市、非常事態宣言を発令 交通死亡事故多発 警報発令からわずか1週間
全国ワースト1位の5年前以来
三重県松阪市は11日、2019(令和元)年以来5年ぶりとなる「交通死亡事故多発非常事態宣言」を発令した。竹上真人市長は同日午後5時から市役所で会見を開き、4日の「交通死亡事故多発警報」発令後に新たに死亡事故が発生し、市内の事故死者数が10人に上る深刻な状況を受け、「非常事態宣言発令中ということを皆さんに周知することで、運転者や自転車など全ての人に注意を促し、何とか交通死亡事故に歯止めをかけたい」と述べた。期間は来年1月10日までの31日間。 非常事態宣言の発令は、松阪市が10万人当たりの交通死者数が人口10万人以上の全国都市の中でワースト1位になった19年以来で、現行の規則になってからは8回目。市交通安全条例と市交通死亡事故多発警報の発令に関する規則に基づき、警報発令中に、市内で交通死亡事故が3件以上発生、または発生状況などから市長が特に必要と認めた時に出される。 4日の警報発令後に、岡本町で死亡事故が発生したのに加え、10万人当たりの死者数が全国ワースト10入りするのが確実になったこと、市内の交通事故死者数が前年比6人増の10人(松阪署管内では11人)という深刻な状況になったことを受け、発令した。 市内の交通事故死者のうち、約6割が65歳以上の高齢者で、約9割が夕方から深夜の時間帯に発生。また、自転車の事故で亡くなった人のほとんどがヘルメットをかぶっていなかったことなどを踏まえ、▶非常事態宣言の広報チラシを市施設や関係団体施設で掲示▶市ホームページ、市公式アプリ「松阪ナビ」などへの掲示▶ショッピングセンターなどで啓発物品の配布▶市全域での広報車によるパトロール強化――などに取り組む他、毎日正午に防災無線で非常事態宣言発令中の緊急放送を流し、市民への周知徹底を図る。 竹上市長は「県内の交通事故死者数が減少傾向にある中、残念ながら松阪市だけが増えている状況。松阪署にも全面的に協力を頂きながら、市としてもまずは周知し、注意喚起に全力を挙げていきたい」と述べた。