『24時間テレビ』幹部も認めた“やす子効果”で15億円超募金も尾を引く「着服事件」日テレに聞いた「再発防止策」
10月27日に放送された『24時間テレビ47 もう1つの物語』(日本テレビ系)で、2024年の『24時間テレビ』の募金総額が、約15億1095万円と発表された。 【画像あり】「じつは徒歩ペース」やす子の24時間マラソンの様子 「いろいろと話題になった、やす子さんのマラソンを通じた児童養護施設への募金は、5億493万6310円と、超高額が集まりました。一般募金は10億601万5397円。前年は8億4805万円ですから、合わせると倍に近い金額ですね」(日本テレビ関係者) 番組の目的からすれば喜ばしい数字だろうが、この報告が腑に落ちないと感じる視聴者もいる。2023年11月、日本テレビ系列局の日本海テレビジョン幹部社員が、募金のうち約1118万円を着服していた事件があったからだ。Xでは、この事件を思い出す人も多く、このような投稿が。 《個人的にはチャリティーなんだから全額寄付するべき、そう思ってた。にもかかわらず着服があったし信用ならないよね》 《15億すべて募金して振込履歴出すくらいしないとね》 《やす子さんが頑張ったことを考慮しても、24時間テレビに不信感が拭えません…》 《募金総額発表はいいんだけど、募金横領が起こらないようにする対策の発表のほうが重要だと思う》 歴代4位という高額な募金額が発表されても、「着服発覚」の衝撃はいまだに根強く視聴者のなかに残っているようだ。実際の募金の扱いについて、日本テレビ広報に取材すると、以下のような回答を得られた。 「全国のみなさまからお預かりした寄付金は、公益社団法人24時間テレビチャリティー委員会を通じて、経費を差し引くことなく支援事業に活用させていただきます(キャッシュレス募金の決済事業社手数料は除く)。 なお、『24時間テレビ47』の最終的な寄付金総額及び、これまで47年間の寄付金累計額の確定は、チャリティー委員会決算の終了後、2025年6月下旬を予定しています。収支決算報告書を公開しておりますので、詳細についてはそちらをご覧ください」 また、着服の再発防止については「24時間テレビチャリティー委員会のHPをご覧ください」との回答だった。HPを見ると、このように記載があった。 「チャリティー委員会を構成する民間放送事業者31社は、これまで24時間テレビの募金活動に携わってきた関係者に対し、各社で聞き取り調査」をおこない「調査の結果、新たな着服などの不正の事例はどちらの会場にも確認されませんでした」とのことだ。 「2003年に、協力団体が運営する募金会場でボランティアスタッフが自身の一万円札を寄付金の千円札10枚に両替した案件と、2013年に寄付金3080円入りの封筒が委員会社で紛失した案件が、不適切な取り扱いとして報告」されたと、細かい案件が報告されている。 また、2024年の寄付金の使途についても、説明をおこなっている。マラソンで集まった募金については「すべて児童養護施設支援のために使用します。全国606の児童養護施設へ申込アンケートが届き、各施設で贈呈品を選定しています」としている。一般募金は「すべて福祉支援、環境保護活動支援、自然災害復興支援のために使用します。寄付金のうち4251万4025円は能登半島地震および、奥能登豪雨の義援金として石川県へ拠出予定です」とのことだ。 今回、募金が高額の結果となったことに対し、日本テレビの沢桂一常務は「(マラソンの)目的別募金という形が非常に分かりやすかった」「やす子さんへの共感という部分から、約5億円が集まった」と、10月28日の定例会見で“やす子効果”について言及している。 番組へ永続的に信頼を寄せてもらうためには、着服事件の記憶を風化させてはならない。再発防止について、日本テレビは今後もアナウンスしていく必要があるのだろう。