米艦船、カンボジア寄港へ 中国軍の国外拠点化を懸念
【プノンペン共同】米海軍の艦船が16日にもカンボジアのシアヌークビル港に寄港する方向で調整していることが12日、両国の政府関係者らへの取材で分かった。同港は、中国の支援を受けて拡張工事が進むカンボジア南西部リアム海軍基地に程近い。米政府は基地が中国軍の国外拠点となることを懸念しており、寄港で中国をけん制する狙いがあるもようだ。 リアム基地には中国海軍の艦船が昨年12月からローテーションを組んで寄港を継続。中国はカンボジアで影響力を拡大している。 カンボジア政府関係者によると、米海軍による寄港は数年ぶり。両国の防衛協力促進を図る目的だと説明した。 外交筋によると、米国は当初、リアム基地への寄港を模索していた可能性がある。6月のオースティン米国防長官による来訪時、カンボジア側はリアム基地の工事が終われば、どの国でも利用できると説明していた。 別の外交筋によると、同基地の拡張工事は当初、今夏にも完了するとの見方があった。予定より遅れている形だ。