兵庫県知事が「辞職より失職」選んだことで維新が被る大迷惑、別の候補を擁立して斎藤氏と“決別”できるか
また斎藤知事は、これまでのパワハラ体質を反省して「生まれ変わる」と言っているが、「兵庫県は今も違法状態」と専門家をして言わしめた公益通報に関する考えを改めようともしていない。 ■維新は独自候補を擁立する考え 斎藤知事が9月30日付に失職すると、それから50日以内に知事選が行われる。現在のところ斎藤知事を支援しようとする政党は皆無だが、ひょうご県民連合などは「他の政党も乗れる候補」として、稲村和美前尼崎市長の擁立に意欲的。独自候補擁立を目指す維新からは、朝日放送の元アナウンサーで、次期衆院選で兵庫8区に鞍替え予定の清水貴之参院議員の名前も挙がっている。
清水氏はその知名度に加え、兵庫県内で自動車販売や飲食店経営、アパレル事業など広く展開するジーライオングループの創始者である田畑利彦氏を岳父に持ち、菅義偉前首相の実弟・秀介氏が同社の役員を務めるという関係にある。 昨年行われた清水氏の結婚披露宴では、菅前首相や松井前大阪市長夫妻、西村康稔前経済産業相などが主賓テーブルを囲んだ。もし清水氏が出馬するなら、維新は斎藤知事を庇ってきた汚名から解放されるかもしれない。ただし今のところ、清水氏側から知事選に向けた積極的な話は伝わっていない。
9月27日の会見で、大阪維新の会代表を務める大阪府の吉村知事は、「(斎藤知事の)改革の実績、方向性は間違っていなかった」と断言した。維新流の「身を切る改革を続行せよ」ということだが、次の兵庫県知事は「兵庫県や県職員、県民をもぶった切る改革者」であってはならない。
安積 明子 :ジャーナリスト