“ギャップ萌え”を生み出す【ゲインロス効果】怖い人の優しい姿、なぜキュンとするの?
心理効果「ゲインロス効果」とは?
最初はあまり良い印象じゃなかったのに、相手を知れば知るほど好感を抱くことってありませんか?それは相手に魅力があるだけでなく、気持ちの伝え方にもポイントがあります。本記事では、心理効果「ゲインロス効果」について解説します。 【画像】 “ギャップ萌え”「ゲインロス効果」活用する注意点! ゲインロスの語源は、低評価から高評価に変わるという意味の「ゲイン」と、高評価から低評価に下がる「ロス」という2つの心理的な言葉を合わせたものです。一般的には“ギャップ萌え”といった表現をされることもあり、恋愛の場面でも多く使われています。 ゲインロス効果は、恋愛やビジネスの場において、初対面で悪い印象を抱かせてしまった際に役に立ちます。では、最初の悪印象が好印象(キュン)に跳ね上がるケースにはどんなものがあるのか……最初はすごく厳しい言い方をする人だったのに、知り合っていくうちに温かい褒め言葉をくれるようになった経験はありませんか? そのような人がいたら、多くの人は“実は優しい人”とか“ちゃんと相手を見てくれる人”という評価をするのではないでしょうか。このように、物事の伝え方の順番を変えることで、さらに好印象を抱かせること。それがまさしく「ゲインロス効果」です。 最初にネガティブな印象を抱いた相手に対して、後からポジティブな印象を抱くような出来事があると、最初からポジティブな印象を抱いていた人よりも高評価になりやすいという心理効果です。
「ゲインロス効果」実験結果の紹介
ゲインロス効果は、アメリカの心理学者、エリオット・アロンソン氏と、ダーウィン・リンダー氏が行った実験によって提唱されました。 実験では80名の女子学生を被験者として集めました。まず被験者の女性(A)は実験室に呼び出された後、後に来る被験者の女性(B)とそれぞれ、「実験のサポート役(A)」と「被験者役(B)」をやってもらうよう指示を受けます。 表向きは女性(B)が被験者役をやるよう指示を出されていますが、実際の被験者はサポート役を任命された女性(A)です(女性(B)はサクラ)。 女性(A)はそのことを知らないまま、まずは女性(A)と(B)の2人で会話をします。そして次に、女性(B)と別の実験者の会話を女性(A)が盗み聞きするという作業を7回繰り返しました。 女性(A)が(B)の会話を盗み聞きする際、(B)は4つの評価を別の実験者に伝えます。 1:最初から最後まで女性(A)を褒める 2:最初から最後まで女性(A)を悪く言う 3:最初は褒めて、最終的に女性(A)を悪く言う 4:最初は女性(A)を悪く言い、最終的に褒める この実験を行った結果、女性(A)に限らず、80名の被験者の中で、女性(B)の評価が最も高まったのは、4「最初は相手を悪く言い、最終的に褒める」やり方だったそうです。 また、最も評価が低かったものは、3「最初は褒めて、最終的に相手を悪く言う」でした。 ここから分かることは、人は予想外の変化やギャップに対して、強い印象を受けるということです。“終わり良ければすべて良し”というように、最初の印象よりも最後の印象に、人の評価は強く作用するのです。