パリ五輪出場権の混乱、問われる国際バレーボール連盟の説明責任
結局、13日の記事では「オランダ対カナダの結果で決まる可能性も」としか書けなかった。ところが翌14日朝、「セルビア戦、米国戦の結果にかかわらず」日本の五輪出場が事実上決まったと、FIVBから日本協会や大会運営団体に通達があった。13日の全試合終了後に、FIVBが改めて計算したのだという。
われわれは、いきさつや、カナダに負けても決まる可能性があることをなぜ事前に通知していなかったのかなど、疑問点をFIVBに質問したかったが、大会運営団体を通して申し入れても対応されなかった。
以前の世界ランキングは大会終了時の順位で与えられるポイントで決まる形で、主力を出さない〝捨て試合〟も散見された。新システムでは消化試合がなくなり、競技の魅力を高める意味では意義深いだろう。ただ、複雑なだけに疑問は多く、説明責任が求められるはずだ。だが今大会、FIVB関係者は報道陣の前に姿を現さなかった。
今年2月、バスケットボール男子アジア杯予選での〝88年ぶり問題〟の際にも、火付け役の国際連盟(FIBA)関係者は、われわれが質問できる場にいなかった(〝88年ぶり問題〟は以前の当欄で説明しています)。
昔は大きな国際大会の際に国際連盟の広報担当者がメディアルームに居て、われわれの質問に答えるのが普通だった。デジタル化により大概のことがオンラインで事足りるようになったが、直接のコミュニケーションは希薄になったようだ。
6月19日、パリ五輪の女子1次リーグ組み合わせが決まり、日本はブラジル、ポーランド、ケニアと同じB組に。12年ぶりのメダル獲得へ、誰の目にもハッキリした活躍を見せてほしい。(只木信昭)