自民党執行部の“二重処分”に不満の声も… 苦境の「裏金議員」が法的な救済策を求めることはできる?
裏金議員にも「戦い方はある」
自分でまいた種とはいえ、司法の場でも党の公認について争えないとなれば、政治の世界に返り咲く道は残されていないのだろうか。 三葛弁護士は次のようにコメントする。 「今回、公認や比例重複を認められなかった候補者も、未来永劫(えいごう)そのままかと言われれば、そうではないかもしれません。 たとえば次の参院選や衆院選では、公認を受けられるかもしれませんし、そもそも石破総裁ら執行部が交代している可能性もあります。 ほかにも、首長選や地方議会に転身するという選択肢もあるでしょう。 今回の衆院選において、過去の実績や、実現したい政策、反省をアピールし、自力で選挙を戦い抜き当選するという方法もあります。 特に、今回は過去の郵政解散の時のように、裏金問題により自民党から大々的に刺客候補を送られているわけではありませんから、戦い方はあると思います」 ただ三葛弁護士は、仮に厳しい戦いに勝利したとしても、今後も裏金問題と向き合う必要があると念を押す。 「当選したことで、有権者の支持を得られたのだから、“みそぎ”をすませたという判断はあり得るかと思います。 だからといって、党や政府の要職への返り咲きが約束されているかと言われると、必ずしもそうではありません。特に大臣などの政府役職に就けば、国会答弁やメディアなどから追及を受けることは避けられないでしょう。 いずれにせよ、政治家として次のステップに進むためには、過去の問題と向き合い、けじめをつける姿勢が求められると思います」
弁護士JP編集部