レッドロブスターもTGIフライデーズも米国で相次ぎ閉店、空きスペースに進出しているのは?
ニューヨーク(CNN) 米バージニア州ウッドブリッジでは、ロングホーンステーキハウスがカジュアルレストランチェーン大手「TGIフライデーズ」跡地を引き継ぐ。ニューヨーク州ウォータータウンでは、ノーザンクレジットユニオン銀行がシーフードレストラン大手「レッドロブスター」に取って変わる。 空き店舗となったレストランチェーンは、事業拡大のための場所を探しているさまざまな企業に優良不動産をもたらしている。特にファストフードチェーンは、かつて人々が座って食事をしていた場所にドライブスルーの設置をもくろんでいる。 レッドロブスターやTGIフライデーズなどのチェーンは今年破産を申請し、合わせて175軒以上の店舗を閉じた。レッドロブスターは、前オーナーのずさんな経営により破産に追い込まれ、TGIフライデーズは投資会社の傘下となった。大手レストランチェーン「デニーズ」も150軒を閉店する。 これらのレストランチェーンはいずれも低・中所得者層をターゲットにしており、顧客の生活が圧迫されていることから、各社も苦戦を強いられている。人々は自宅や、安価なファストフード、チポトレといったファストカジュアルレストランなどで食事をしている。こうしたチェーン店は、着席式のテーブルに店員が給仕する方式よりも収益性を高められる。 データ分析会社プレーサー・ドット・エーアイのデータによると、デニーズのようなフルサービスレストランの客足は今年これまでに0.5%減少している一方で、ファストカジュアルレストランでは3.2%、ファストフードチェーンでは0.6%増加している。 こうしたレストランは、着席するテーブルと料理を運ぶスタッフを抱える別のレストランチェーンに取って代わられることが多かった。しかし現在では、ファストフードやファストカジュアルチェーンがこうした場所を利用して、ドライブスルーを増やしている。チポトレは新たに4000店舗の建設を進めており、その大半はドライブスルーを備えている。 ドライブスルーの店舗は小規模で運営に必要なスタッフは少なく、メンテナンスの手間も省けるため、多くの場合、着席型のレストランよりも収益性が高い。 一方で現時点では、空きスペースを見つけたり、新しい店舗をゼロから建設したりするのは簡単ではない。 米国では全土で空き店舗の需要が高く、供給が逼迫(ひっぱく)している。米国の小売業の空き店舗率は4.1%と、ここ数十年で最も低い。何年もほぼ建設が進められていないうえ、借り入れ、労働、建設にかかるコストが高騰しているため、供給が制限されている。商業不動産会社CBREによると、前四半期の完成物件数は10年以上で最低だった。 閉店したレストランのほとんどは、交通量の多い通りに面し、大きな駐車場を併設し、ショッピングセンターに隣接しているため、魅力的な物件となっている。