「涙は箱根に取っておく」三冠王手の國學院大・前田康弘監督、箱根駅伝初制覇への秘策とは…“鬼門”の山上り5区にエース平林清澄投入はあるか?
読めない前田監督の秘策は…
策士のプランはなかなか読めない。過去に大胆な区間位置で成功を収めた実績もある。2019年の95回大会では、メディアの前で2区起用を濃厚と匂わせていた浦野雄平(現富士通)を5区に抜擢。すると、そのエースが山で区間賞に輝き、7年ぶりにシード権を獲得した。後日、実は前々から準備していたことを明かしている。そして、翌年の96回大会でも浦野を同区間に投入。大黒柱が山上りで区間3位と好走し、初の表彰台となる総合3位に。そのときに掲げてきたスローガンも、今年度と同じ『歴史を変える挑戦』だった。はたして、ただの偶然なのか――。 もちろん、3年連続して平林を2区で真っ向勝負させる可能性も高い。指揮官は青山学院大の黒田朝日、駒澤大の篠原とのエース対決も見据えている。 「2区はバチバチでしょうね。先頭争いをしたいです」 学生三大駅伝を締めくくる舞台へのイメージは、膨らむばかり。三つ巴の勝負になる予感が漂うなか、「全日本のチャンピオンチームとして堂々と臨みます」と胸を張る。 「これで箱根も駒大とのアンカー勝負になったら、面白くないですか? 歴史に残る駅伝の年にしたいですね」 今季、口癖のように使う“わくわく”が止まらないようだった。
(「箱根駅伝PRESS」杉園昌之 = 文)
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