VW、労組が生産能力削減に合意-ドイツ国内の工場閉鎖は回避
(ブルームバーグ): ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲン(VW)と労働組合の代表がVWブランドの生産能力削減で合意した。ドイツ国内の工場閉鎖と労働者の追加ストライキは回避され、3カ月にわたる緊迫した交渉に終止符が打たれた。
同社の労働者代表が20日発表したところによると、経営陣はVWブランドがドイツ国内に持つ10工場を維持し、雇用保障協定を2030年まで持続させることに合意。一方、労働者側は一部のボーナス放棄に加え、正社員契約が得られる実習生の数の削減と、5工場で数十万台相当の生産能力削減を受け入れた。
合意への期待から、20日のVW株は前日から1.7%上昇したが、今年に入ってからの下落率は約21%に達している。
合意の一環として、VWブランドで3万5000人余りを向こう5年間に削減。ハッチバックの主力車「ゴルフ」の生産はドイツのウォルフスブルク工場からメキシコに移し、ツウィッカウ工場での電気自動車(EV)のハッチバックタイプ「ID.3」やスポーツタイプ多目的車(SUV)「ID.4」などの生産をウォルフスブルクとエムデンの施設に移管する。
こうした措置により、中期で年40億ユーロ(約6500億円)前後のコスト削減を見込めるという。
金属産業労組(IGメタル)の交渉担当者トルステン・グレーガー氏は記者会見で、合意について「ドイツにとって非常に重要なシグナルだ。大きな問題への解決策を見出す能力が示された」と述べた。
原題:VW, Union Agree to Cut Capacity and Keep German Plants Open (2)(抜粋)
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Monica Raymunt