睡眠を考える──「質の良い眠りには、なぜ朝のタンパク質が欠かせないのか?」
お酒やコーヒーと睡眠の関係
──アルコールや、コーヒーなどのカフェインは、眠りにどのような影響がありますか。 「寝る前にアルコールを飲むとすぐに寝られる」という人もいますが、例外なく眠りが浅くなります。カフェインも同じで、眠りは浅くなります。ある程度寝ているのに疲れがとれない、朝スッキリ起きられない、昼食後に強い眠気が起こる、通勤電車でウトウト寝てしまうという人は、アルコールやカフェインの摂取を見直すことも大切です。 ──最近は、健康のために、お酒は飲めるけれどあえて飲まない「ソバーキュリアス」というライフスタイルや、カフェインレスの飲み物も増えています。 カフェインは身体に悪いものではありませんが、何事も摂り過ぎはいけません。良い眠りのためにも、1日2、3杯にとどめておいたほうがいいと思います。
篠原絵里佳(しのはら・えりか)
管理栄養士、睡眠改善インストラクター、睡眠健康指導士。総合病院、腎臓・内科クリニックを経て独立。長年の臨床経験とアンチエイジング(抗加齢)医学の活動を通して、体の中から健康と美を作る食生活を見出し、分かりやすく発信することを得意とする。また、チーム医療に邁進する中で睡眠の重要性に気づき、睡眠改善インストラクター、睡眠健康指導士を取得。食事と睡眠の観点から健康と美容にアプローチする「睡食健美」を提唱している。 https://twitter.com/VegeFruEcca https://www.facebook.com/erica.shinohara1 公式サイト https://ericashinohara.com/ 文・梅津有希子 編集・神谷 晃(GQ)
第1回:「大谷翔平に学ぶ睡眠力。良い眠りは運動技能の向上を促す!」──睡眠を最優先する大谷翔平
テレビや新聞などのニュースで見ない日はない、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平。その活躍ぶりはいわずもがな、愛犬デコピンとの暮らしぶりや、結婚したことが速報で流れるなど、あらゆることがニュースになる日々だ。 なかでも、昨年5月、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表でともに戦った、セントルイス・カージナルスのラーズ・ヌートバーと対戦することになった前日、ヌートバーから食事に誘われた大谷が、「(その時間は)寝ている」と断ったことが大きく報じられたことを覚えている人も多いことだろう。「友人との食事より、翌日の試合のことを考えて寝ることを最優先させるとは、何とストイックなんだろう」とニュースを見ていた筆者は思ったものだが、とかく彼は「よく寝る」という印象が強い。 なぜ大谷はそんなに眠るのか。なぜこれほどまで睡眠を大切にしているのだろうか。なぜ寝ることで疲れが取れ、身体は回復するのだろうか。睡眠に特化したクリニックやサロンなどを経営し、プロ野球選手やJリーガーなどにマンツーマンでスリープコーチングを行う、一般社団法人オルソスリープアカデミー代表理事・矢野達人氏に訊いた。