今年ここまで７勝をマークしている河原田

“パイオニア”とも言える藤田菜七子が切り開いた女性ジョッキー活躍の道筋。後輩は毎年のように増えて現在計７人。今や女性が勝つことは特別なニュースではなくなった。それゆえ７人はガチの“ライバル同士”。これまで以上に厳しい戦いの場に身を置いているのだが、そんな中、奮闘しているのがデビュー２年目の河原田菜々だ。 　６月の名古屋競馬ＣＣミント賞で師匠＝渡辺薫彦調教師の管理馬・サマーアゲイン（牡３）を１着に導き、地方初勝利を果たした。中央でも８月１８日終了時点で通算勝利数２０。うち５勝は自厩舎の馬だ。着実に勝ち星を重ねている印象だが、本人は「全然（恩返しは）できていないです。いい馬に乗せていただいているのに、それに対して結果を出せていない」と振り返る。 　今年は反省すべき大きな出来事があった。３月１６日の中京１Ｒで負担重量を超過し、５１キロから５１・５キロに変更して騎乗することに。「体重のことで失敗してしまって、その信頼を取り戻すために、地道に頑張っています」 　デビュー年の２０２３年は１３勝を挙げ、今年は８月１８日終了時点で７勝。悪くないペースに映るが、本人は満足していない。冷静に自己分析しつつ日々の鍛錬を続けている。 　自身の強みについては「女性というのもあって体が柔らかい分（馬に対する当たりが）優しい方なのかな」。こう語る一方、「その良さに対して足りないところはまだまだいっぱいあって、もっと自分自身を変えていかなければいけないと思っています」と“アップデート”し続けることを強調した。 「一鞍一鞍乗せていただいている馬に対して真剣に向き合って、その馬に合ったレースがしたいです。常に１勝を目指して頑張っています。去年の勝ち星よりはしっかりと上を（行きたい）」 　真摯に馬に向き合う姿勢を何よりも大切に、飛躍を目指す。 ☆かわはらだ・なな　２００４年１１月１３日生まれ、大阪府出身、１９歳。２３年免許取得、渡辺薫彦厩舎所属。８月１８日終了時点でＪＲＡ２０勝。先行馬での激走が目立ち、昨年６月の阪神競馬（３歳上１勝クラス）では最低人気プリマヴィータで５馬身差の逃げ切り。スタンドを沸かせた。