この撮影車両こそが、正真正銘の本家マシンXだ! 西部警察 西部機動軍団PART-1【1】特殊装備を搭載した、新人という名の「マシンX」
大門軍団の特別機動車両。その記念すべき第1号車がマシンXだ。登場はパートⅠ第45話「大激走! スーパーマシン」。西部署管内で銀行強盗を襲って現金を強奪する事件が多発し、なかなか犯人逮捕に至らない大門へのマスコミからの風当たりが強くなる。西部署内でも「新人が来る」という木暮課長の言葉から「大門更迭」のウワサが流れ、焦りが見え始めた。そんな矢先、木暮課長が新人の到着を伝え、大門にクルマのキーを手渡した。新人というのがマシンXだったのだ。 【画像35枚】特殊装備満載で大活躍した 記念すべきスーパーマシン第1弾。最新コンピューターが搭載された室内を可能なかぎり再現 警視庁科学研究所が技術を結集して作り上げたマシンXは、52もの特殊装備を搭載。それは第45話でさっそく披露され、可動式サーチライト、リモコン可動式スチールカメラ、特殊発信ペイント弾などを使用した。さらにマシンXの圧倒的な走行性能もベールを脱ぎ、240㎞/hを誇る最高速で東名高速を疾走し、犯人が乗るマーキュリー・クーガーを追いつめていく。 マシンXの特殊装備を知るにはパートⅠ第69話「マシンX爆破命令」も重要。マシンXを奪った犯人は、その能力をフル活用して現金輸送車襲撃計画を企てる。マシンXの生みの親でもある木暮課長は、マシンXが犯罪に使われることを危惧し、自室で思い悩む。そして、ここで驚愕の事実が判明。マシンXには遠隔操作式自爆装置が組み込まれており、その起爆スイッチが木暮課長のデスクの引き出しに収まっていたのだ。自爆決行を決断し、まさにスイッチを押す寸前にジョーがマシンXを発見し、自爆は免れたのだった。 マシンXにまつわる秘話 そしてもっとも重要なのがパートⅢ第47話「戦士よ さらば」だ。スーパーZが登場して以降、コンピューター回線をすべてオフにして警視庁のガレージで保管されていたマシンXだったが、犯人に盗まれ、犯罪に使われてしまう。同時に犯人は少女を誘拐し、車内に時限爆弾を仕掛けて逃走。タイムリミットギリギリで少女の救出には成功するのだが、マシンXは爆破され殉職してしまった。大門軍団の面々が炎上するマシンXに向かって敬礼するラストシーンは、涙なくしては見られない。 このパートⅢ第47話以降はもちろん、西部警察放送終了後もマシンXは表舞台に姿を現すことはなかった。しかし、ファンの間では「あれはニセモノ(影武者)だったのではないか?」とウワサされていた。そして、その真相がついに明らかになる。「本物」のマシンXは生きていたのだ! この撮影車両こそが、正真正銘の本家マシンXだ この撮影車両こそが、正真正銘の本家マシンXだ。2011年、石原プロモーションは大森の車両倉庫を整理している。そのなかにカバーを被った状態でマシンXが眠っていた。この車両整理にかかわり、マシンXを託されたのが東京都内で自動車販売店を営む野呂さん。「第47話で誘拐された女の子がクルマの後ろに乗せられているでしょう。そこにアルミの波板が敷かれていますが、それこそがダミー車両の証です」と野呂さん。たしかにパートⅠ第69話で犯人につかまったジョーが乗せられた時は、波板ではなかった。 こうして長い眠りから目覚めたマシンXは、野呂さんの手によってレストアされ、走行可能な状態にまでよみがえり、サーチライトなどの特殊装備も稼働可能にまで仕上げられた。あの殉職から30余年。再びスポットライトを浴びて輝くマシンXの姿が見られる日が来るとは、まるで夢のようだ。 初出:ハチマルヒーロー vol.48 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部
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