「自分の人生に意味はあるのか、自分に存在価値はあるのか……」“むなしさ”の意味と付き合い方をきたやまおさむが考えた一冊に注目[新書ベストセラー]
2月6日トーハンの週間ベストセラーが発表され、新書第1位は『メンタル脳』が獲得した。 第2位は『話す力 心をつかむ44のヒント』。第3位は『世界のニュースを日本人は何も知らない5 -なんでもありの時代に暴れまわる人々-』となった。 4位以下で注目は9位にランクインした『「むなしさ」の味わい方』。精神科医で作詞家や歌手としても知られるきたやまおさむさんの新著。《自分のやっていることに意味があるのか。自分に存在価値があるのか。大切なものを探しているけど、まったく見つからない。何をやっても、砂をかむようで、苦く味気がない。徒労感を覚え、心にぽっかりと穴があき、そこを風が吹き抜ける。むなしい――。》きたやまさんは同書の冒頭で「むなしさ」をこう表現する。そして自身もその感覚にひどく苦しんできたと告白する。だが最近になってそれは《生きていくうえで普通の感覚》であり、なくすことはできないものであると感じているという。同書はそうした「むなしさ」を味わいながら、どう付き合っていくのか、それとともにどう生きるかを考えた一冊だ。
1位『メンタル脳』アンデシュ・ハンセン[著]マッツ・ヴェンブラード[著]久山葉子[訳](新潮社) 「史上最悪のメンタル」と言われる現代人。とりわけ若年層の心の問題は世界的に深刻だ。ユニセフが警告を発し、アメリカ政府は「国家的危機」とまで言及、日本でも高校生の30%、中学生の24%、小学4~6年生の15%が中等度以上のうつ症状を訴えているとの調査結果もある。脳科学からメンタルの問題を解説した世界的ベストセラー『ストレス脳』をあらゆる世代向けに、わかりやすくコンパクトにした〈心の取説(トリセツ)〉。(新潮社ウェブサイトより)
2位『話す力 心をつかむ44のヒント』阿川佐和子[著](文藝春秋) 日本人だからこその会話の妙や楽しみ方はあるはず――。初対面の相手との会話から、認知症の親の介護や家庭円満の秘訣、会議や会食まで。インタビュアーを三十年以上続けているアガワが披露するとっておきのエピソードとコミュニケーション術。(文藝春秋ウェブサイトより)